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VOICE:協働日本 遅野井 宏氏 – パラレルキャリアが働く人のセーフティネットになる時代へ –

協働日本で活躍するプロフェッショナル達に事業に対する想いを聞くインタビュー企画、名付けて「VOICE」。今回インタビューするのは協働日本で、働き方変革やDX推進を専門に、企業変革の伴走支援に取り組んでいる遅野井 宏(おそのい ひろし)氏です。

キヤノン(株)で事業部IT部門で社内変革を推進後、日本マイクロソフト(株)に入社。働き方改革専任のコンサルタントとして製造業の改革を支援するなど、ご自身の製造業の現場経験をベースにIT/オフィスの両面から働き方改革を支援してきた遅野井氏。

その後、(株)オカムラに入社しWORKMILLプロジェクトを立ち上げ、日本の働き方変革を推進するリーダーのお一人として活躍されてきました。

その後、同社のDX推進室の発足と同時に室長に就任し、全社DX推進を担当。同年から(株)point0取締役を兼務しコワーキングスペースpoint 0 marunouchiにおいて企業間共創を推進するなど活躍の幅を広げてきました。そのキャリアでは一貫して、働き方変革やDX推進といったキーワードとともに日本企業の組織変革に取り組んでいます。

協働日本では、パートナー企業のコマニー(株)への伴走支援を通じて、組織や働く社員に新しい変化を生み出している遅野井氏。協働日本が行っている伴走型支援の効果や重要性だけでなく、様々な業界の経験や専門性を持った協働プロが複業として、チームを組み企業支援を行っていく取組自体の価値についても、働き方の専門家の視点から語っていただきました。

(取材・文=郡司弘明)

企業変革を推進するプロフェッショナルとして

ーー本日はよろしくお願いします。働き方変革やDX推進を専門に、多くの企業の支援を行ってきた遅野井さんの、これまでのキャリアについて教えてください。

遅野井 宏氏(以下、遅野井):よろしくお願いします。

自分のキャリアは、なかなか説明が難しいのですが、順にお話しますね(笑)

日本企業、特に製造業の現場経験をベースにIT/オフィスの両面から働き方改革を支援してきました。事業会社におけるDX推進を手掛けたり、企業の枠を超えた共創のプラットフォームを企画運営したり、といったことに会社が変わっても取り組み続けてています。

ーーまさに、いま日本中の多くの企業が抱える、働き方の見直しやDX推進といったテーマの専門家ですね。具体的には、どういった企業でそういった専門性を磨かれたのですか?

遅野井:そういっていただけるとありがたいです。まず大学卒業後、キヤノン(株)へ入社しました。キヤノンでは、レーザープリンターの事業企画を10年間担当した後、事業部のIT部門で社内変革を推進することになりました。

その後、より専門性を身につけるべく2012年に日本マイクロソフト(株)に転職し、そこで働き方改革専任のコンサルタントとして製造業の改革を支援することになりました。

そして2014年から(株)オカムラに転職。企業の、「はたらく」を考え直し、変えていくWORKMILLプロジェクトを立ち上げ、統括リーダーを務めながら「WORKMILL with Forbes Japan」「WORKMILL WEBマガジン」を創刊、編集長を務めました。その後も、DX推進室の発足と同時に、室長に就任してオカムラの全社DX推進を担当させてもらいました。

ーーなるほど。複数の企業での業務を通じ、ご自身の専門性を磨いてこられたのですね。

遅野井:日本企業の現場で働いていた経験もあり、そういった感覚を大切にしながら、働き方変革からDX推進までを語れるのが自身の強みかなと思っています。

また2019年2月には、オカムラが参画していた、コワーキングスペースpoint 0 marunouchiにおいて、オカムラを代表する形で(株)point0の取締役を兼務し企業間共創を推進する経験もつませていただきました。

ーー同じくコワーキングスペースpoint 0 marunouchiに参画していた、ライオン(株)の藤村昌平氏(協働日本 CSO)とは、そこで出会ったとお聞きしました。

遅野井:はい、藤村さんが当時、同じく会社を代表する形でコワーキングスペースpoint 0 marunouchiの運営に携わっており、そこでの出会いが協働日本を知るきっかけにもなりました。

その後、2022年7月にオカムラから転職しましたが、新しい会社でもやることは大きく変わらず、働き方の専門家として「企業と企業を繋いで、新しい価値創出をする。」というテーマに根ざし仕事を続けています。

業界事情を理解している伴走者だからこその安心感

ーー協働日本で実際にどんな取り組みをされているか教えてください。

遅野井:石川県の製造業、コマニー株式会社を伴走支援しています。

クライアント企業の業界がまさに前職(オカムラ)と同一なので、その業界の特性も理解したうえで、ご支援できていることに手ごたえを感じています。

コマニーの皆さんからもその点はとてもご評価いただいています。

ーーどういった部署の方々と、どんなテーマでお打ち合わせされているのですか?

遅野井:コマニー株式会社の経営企画室の皆さんです。これまでコマニーは代理店を通じてお客様に商品を販売する事業モデルで拡大してきたのですが、今後はお客様との直接的なコミュニケーション機会も増やしていこうとされており、その取り組みをどうやってスタートさせるかという立ち上げ期を支援しています。

ーーなるほど。お取り組みの中では、遅野井さんの前職でのご経験も活きそうですね。

遅野井:まさに。元競合企業にいたということもあり、自分たちの業界のことをしっかりわかっている方が支援してくれるということで、安心感を持ってくださっているようです。

同じプロジェクトには、協働日本CSOの藤村さんも入っていますが、藤村さんからお話しいただく普遍的な戦略面でのサポートに加えて、私が業界としての視点を持って望んでくれていることで、質の高いディスカッションが出来ています。

ーーまるでRPGのパーティーのように様々な強みを持つ協働プロがチームを組むからこその、役割分担ですね。

遅野井:たしかにそうですね!(笑)

色々な業界を知っているメンバーで構成されている、協働日本だからこそできる支援体制でもありますね。

コマニー株式会社でのお打ち合わせの様子1

協働日本なら大きな変化を生み出せる期待感があった

ーー遅野井さんが協働日本に参画するきっかけはどんなものだったのでしょうか?

遅野井:前職のオカムラで、プロジェクト(コワーキングスペースpoint 0 marunouchi)をご一緒した藤村さんからのお声掛けでした。

私がオカムラの代表者として、藤村さんはライオンの代表者として10社に及ぶ企業間共創に取り組み、これまでにない新しい価値を創出する過程を共にした経験から、お声掛けいただいたと伺っています。

その後、協働日本代表の村松さんも含め3人でオンラインでお話しし、素晴らしい活動であることがよく理解でき、興味を持ちました。

なにより、その活動にお誘いいただけたことを光栄に感じ、参加を決めました。

ーーなるほど!そういったご縁だったのですね。協働日本のどんなところに興味を持ったのか、お伺いしてもよろしいですか?

遅野井:たとえば、事例として伺った奄美大島の大島紬のお取り組みの話などは特に印象的でした。商品価値を高める方法としてもユニークなアイディアを色々実現されていましたし、まさに地域企業にとってのブレイクスルーを実現しているなと思いました。

さらに言えば、クライアントの皆さんにとっても、とても良い雰囲気でお取り組みが出来ているのだなと思いました。

外部人材のアドバイスや意見を取り入れて、「まずはやってみる」。そういった姿勢を持っているクライアントさんはやっぱり成果を上げやすいです。

少し柔らかい表現をするならば、ある種の「素直さ」を持っているクライアントに恵まれているなと思いました。素直さというのは実は働き方変革の現場でも、実は重要なキーワードなんです。それがあるかないかで、変化量もスピードも全然違ってきますから。

熱意と素直さを持った、本当に変わろうとしているクライアントと一緒に仕事ができるのであれば、自分の経験をもっと全国の企業に伝えて、大きな変化を生み出していけるかもという期待を持ちましたね

その時、一人の社員の目の色ががらっと変わった

ーー遅野井さんが協働日本での活動を通じて実現したいことを教えてください。

遅野井:製造業の現場感覚をベースに、働き方改革やDX推進を手掛けてきた経験を存分に生かして、日本各地の企業変革を支援していきたいです。

特に協働日本のクライアントの中でも比較的大きな規模の支援が必要な場面でお力になれると思います。

ーー規模が大きくなってくると、そこにDX化がより一層求められるのでしょうか?

遅野井:その通りです。

会社が地方にあって、ある程度規模の大きな会社ほど特に、社内でDX推進をやらなくてはいけないという課題感をもったケースが多いと思います。

でも何から手をつけていけば良いのか、その先に目指すゴールはどう設定すれば良いのかが分からないという声も聞きます。

そんな企業と是非、色々な企業を支援してきた経験を活かしてお取り組みさせていただきたいですね。

ーー取り組みを通じて、協働パートナー企業の変化を感じるときはどんなときですか?

遅野井:先日、クライアント企業であるコマニーの直面している課題をじっくりお聞きしたところ、まさに私が前職で立ち上げた変革プロジェクトに似た状況にあるということがわかりました。これは自分の経験からお伝えできることが色々ありそうだと思い、コマニー本社でその時の立ち上げ経緯をプレゼン形式でお話しさせていただきました。

そのプレゼン後に、一人の社員の目の色ががらっと変わったんです。

プロジェクト開始当初は「アサインされたので参加した」という感じだった方だったのですが、プレゼンの後には「こういった変革をやりたい」と自ら目を輝かせて強くお話ししてくださいました。

自分のこれまでの経験をお伝えする中で、熱だったり情熱がその方にも伝わったのであれば嬉しかったですし、何より伴走支援を通じて主体者であるクライアント企業の社員が、大きく変化する瞬間に立ち会えた事自体に感動しました。

ーーそういった変化を通じて手応えを感じると、遅野井さんご自身のモチベーションも上がりますよね。

遅野井:ええ、そういった変化が生まれると、もっともっとコマニーのために一緒に考えていきたい、仕事を一緒にしたいという思いが強くなりましたね。

コマニー株式会社でのお打ち合わせの様子2
ーー遅野井さんご自身は、協働日本に参画したことで生まれた変化はありましたか?

遅野井:自分がこれまで経験したことが、企業の枠を超えて普遍的に役に立つことなのだということを改めて実感しています。

また、クライアント企業と関わる時間が増え、その哲学やビジョンをお聞きするうちに、心から企業のファンになってしまいました。

協働日本の、伴走型支援という枠を超えて、より深く同社の変革を支援したいと最近は本気で思っています。

前職でオカムラにいた頃は、まさか同業でもあるコマニーさんとこういったお取り組みが出来るとは思っても見なかったです。普通に働いていてはクロスすることのなかった人同士が出会って、そこで生まれたストーリーが世の中を変えていく。そういった変化にこそ、一番感動しています。

生まれたご縁そのものが、働く人にとってのキャリアのセーフティネット

ーー最後に、遅野井さんは協働日本は今後どうなっていくと考えていらっしゃいますか?

遅野井:こうした取り組みこそが、日本のこれからを支えていくといっても過言ではないと感じています。

様々な業界や企業での経験や知見を、地域の企業に移転していく。そうしてクライアント企業が育つだけでなく、担当者や協働プロの双方が成長できるという感覚を持っています。

また、企業の組織人として、こうしたパラレルキャリアを持つことはとても意義深いと感じます。

これからの時代において、自身の経験やスキルを活かせる場はもちろん、そこから生まれたご縁そのものが、働く人のキャリアのセーフティネットだと思いますね。

ーーなるほど。勤めている会社や、眼の前のビジネスがある日無くなってしまうようなこともありえる変化の激しい時代で、そういった繋がりの価値は大きいですね。

遅野井:その通りですね。協働日本という看板だけでなく、自分という個人に対して信頼を預けてくれて、もし何かあったらまっさきに声をかけてくれるようなビジネスパートナーが全国に増えていく。これ以上に、安心できるキャリアのセーフティネットはないのかもしれません。

ーー今日は色々なお話をお伺いできました。ありがとうございました。

遅野井:本日はありがとうございました。協働日本ももっと大きくなっていくと思います。

より多彩な人材が集い、多くのチームが編成され、多様性を広げていく先に、あっと驚くような事例が日本中で生まれていくと信じています。

遅野井 宏
Hiroshi Osonoi

コマニー(株) 間づくりエバンジェリスト

大学卒業後、キヤノン(株)入社。レーザープリンターの事業企画を10年間担当後、事業部IT部門で社内変革を推進。2012年日本マイクロソフト(株)に入社し、働き方改革専任のコンサルタントとして製造業の改革を支援。2014年から(株)オカムラに入社。WORKMILLプロジェクトを立ち上げ、統括リーダーを務めながら「WORKMILL with Forbes Japan」「WORKMILL WEBマガジン」を創刊、編集長を務める。2019年4月よりDX推進室の発足と同時に室長に就任し、オカムラの全社DX推進を担当。同年2月から(株)point0取締役を兼務しコワーキングスペースpoint 0 marunouchiにおいて企業間共創を推進。
2023年3月より現職。

働き方、ワークプレイス、コワーキング、DX推進、デジタル人材育成

人生のWHY
すべての人々が、等しく、最高の意義をもって人生を生きられる社会をつくる

遅野井 宏氏も参画する、協働日本事業については こちら

VOICE:協働日本 向縄一太氏 – 「浪漫」と「算盤」で地域を変える –

協働日本で活躍するプロフェッショナル達に事業に対する想いを聞くインタビュー企画、名付けて「VOICE」。今回インタビューするのは協働日本で、地域企業に対するマーケティング支援を行っている向縄 一太(さきなわ いちた)氏です。

花王(株)で18年以上一貫してマーケティング業務に従事し、国内衣料用洗剤(アタック、ニュービーズ)ブランドを担当してきた向縄氏。

タイでの海外駐在を経て、アジアホームケア事業(マジックリン)のシニアマーケターとして、アジア7ヵ国を担当し、事業戦略・マーケティング戦略等(商品開発含)の立案を推進してきました。

そんな向縄氏は現在、インドネシアに駐在し、経営戦略・事業戦略立案・実行、既存ブランドの推進を行っています。

協働日本が行っているマーケティング支援の中心メンバーとして活動し、複数のプロジェクトをマネジメントする向縄氏が、協働日本に参画したきっかけはなんだったのか。地域企業とのエピソードや、企業支援で大切にしている想い「浪漫と算盤」をインタビューで語りました。

(取材・文=郡司弘明)

大切にしているのは、起点となる「浪漫」

ーー本日はよろしくお願いします。いくつものプロジェクトでマーケティングの知見や経験を活かした支援を行っている向縄さんですが、あらためて普段のお仕事についてぜひ教えてください。

向縄 一太氏(以下、向縄):よろしくお願いします。普段の仕事もマーケティングに関わる仕事をしています。花王で18年以上一貫してマーケティング業務に従事してきました。

現在は、PT.Kao Indonesia(インドネシア駐在)へ出向し、経営戦略・新規事業の立案・実行、主要ブランドのマーケティング/商品開発のサポートを行っています。

ーーインドネシアから日本各地の企業をご支援しているのですね!

向縄:はい。インドネシアと日本では2時間の時差があるのですが、リモート中心での伴走支援ということもあり、特に支障なく協働日本の活動も行えています。

ーー協働日本で実際にどんな取り組みをされているか教えてください。

向縄:現在、5つのプロジェクトを通じて各地域の企業様をご支援しています。私が各企業様と行っている事は、抽象的に述べますと、「浪漫」と「算盤」の伴走になります。

ーー「浪漫」と「算盤」ですか。それはどういった意味なのでしょうか?

向縄:企業様が持たれている浪漫(WHY : Purpose , Vision)を、伴走型支援によって明確にしていき、それを算盤(HOW:事業戦略・マーケティング戦略・戦術)に落とし込み、それを活用して実現に向かってご一緒する活動をしています。

マーケティングの協働プロとしてプロジェクトに参画していますが、算盤に集中するのではなく、起点となる「浪漫/想い」の部分を大事にして活動しています。

ーーなるほど。地域企業を支援する中で向縄さんが大切にしている2つの視点がまさに「浪漫」と「算盤」というわけですね。実際のお取り組み事例についてもぜひお聞かせください。

向縄:お取り組み先の1社が、滋賀県草津市にある「株式会社くさつビル」さんです。地元草津市で不動産の賃貸や売買を行っている会社です。

そのくさつビルが手掛ける、地域のデジタル教育に関わる新規事業に立ち上げから伴走しています。

ビジネスモデルの設計から新会社の設立を経て、現在は「ミラポ」という小学生向けプログラミングスクールがスタートしたところです。

ーーくさつビルさんとの取り組みでもまず大切にしたのは、浪漫(WHY : Purpose , Vision)でしょうか?

向縄:その通りです。くさつビルのWHYの部分である想いについて、事業者自身がありたい未来像を描けるようしっかりと時間を割き、サポートしました。

打ち合わせを重ねていき、新たに不動産を活用した教育事業に取り組み、地域を活性化させていきたいという未来像が言語化されました。

向縄:くさつビルの事業の中心である不動産業から、教育事業への参入ですから一見すると、飛び地の事業のようですが、そこには「地域を活性化させたい」「草津を盛り上げていきたい」という浪漫が根底にあります。

そこまで明確にできれば、あとは自身のマーケッターとしての経験を活かして、算盤(HOW:事業戦略・マーケティング戦略・戦術)をともに作り上げていく番ですね。ビジネスモデルを構築しつつ、サービスのコアとなる顧客とそのニーズをより明確に特定していきました。

ーー緻密に顧客のニーズを確かめていったことで、算盤が磨かれていったのですね。

向縄:特に、顧客となる親と子供の気持ち・課題感を顧客インタビューを実施する事で掴んだことで、サービスがどんどん磨かれていきました。その他にも、具体的なアウトプットとして新会社のブランドの規定や、ロゴの開発、ホームページの開発、サービスのブラッシュアップ等の立案サポートを行っています。

ーー向縄さんの大切にしている「浪漫」の言語化から「算盤」構築へのプロセスがまさに形になっている事例ですね。その他のお取り組み事例についてもぜひお聞かせください。

向縄:静岡県の沼津三菱自動車販売株式会社ともお取り組みさせていただいております。沼津三菱は静岡県東部や伊豆エリアをカバーする三菱自動車正規ディーラーです。

沼津三菱様が新たに立ち上げた「Gran Works」というコーティングサービスのマーケティング戦略・戦術立案をご支援させていただいております。

ここでもサービスの更なる発展に向けてまず、沼津三菱様のWHYとなるパーパスとありたい将来像、内に秘める「浪漫」を明文化するためのサポートを行いました。

その後、お役立ちしたい顧客(WHO)の特定に向け消費者インタビュー・従業員の方へのヒアリング・顧客調査を実施したことで、ターゲットとする顧客像を特定することができました。

Gran Worksとしての提供価値をしっかりと定義したことで、そこからの具体的な戦略が明確になっていきました。

具体的な顧客サービスであるコーティング、洗車、そして未来に実行していくサービスの開発にまで踏み込ませていただきました。そのほか計画立案と並行して、プロモーション支援として、ホームページ作成(文言・構成)や顧客へのトーク内容の整理等のサポートなども行っています。

現在は、顧客のロイヤルユーザー化を図るための顧客情報管理等の仕組み化についても議論をしているところです。

地域を活性化させたいという想いに「共振」した

ーー向縄さんが協働日本に参画するきっかけはどんなものだったのでしょうか?

向縄:協働日本で共に取り組む事を決めた理由は、大学院の先輩である村松さんが協働日本を立ち上げて地域企業の伴走支援事業を行おうとしていることを知り、そこで「地域の活性化」への想いを聞き、「共振」したためです。

ーー面白い表現ですね。「共振」ですか。

向縄:はい。自分の想いや関心といった、心の波紋が外へ広がっていくタイミングに、村松さんの熱い気持ちの波紋が重なって、波紋が合うような感覚があったんです。共感よりも強く、「共振」しました。

当時から海外事業を担当していたので、何度も海外に赴いていた中で、海外には素晴らしいモノがたくさんある事に気づくと同時に、日本にはまだまだ世界に誇れるものがいくらでもあると思っていました。

それをもっと引き出して活性化させていくことができれば、日本全体が活性化していくのではと思っていました。

ーーそのためにはどんなことが必要だと考えますか?

日本の「優位性」ではなく、「独自性」をもっと引き出していくことですかね。

たとえば、衛生的で便利な機能が詰め込まれた「日本のトイレ」の技術は世界的に有名ですが、海外のトイレも急速に進化してきていています。日本の標準に世界が追いついてきているんです。つまり「日本のトイレ」が綺麗という「優位性」は失われつつあります。

一方で、日本の地方で大切に紡がれてきた伝統や文化、歴史は「独自性」と言えます。これには地域に根ざして、歴史を重ねてきた老舗企業も含まれます。

こういったものは、簡単に真似することは出来ません。だからこそ地域で頑張っている企業の内に秘めた浪漫を言語化し、算盤を磨いていくお手伝いをしたいと思いました。

インドネシアにいると、刻一刻と社会の進化や変化を実感します。優位性だけで戦おうとすると、すぐに追いつかれてしまうのではという危機感は以前に増して強くなりました。

胸に秘める「浪漫」を「夢」で終わらせない

ーー向縄さんが協働日本での活動を通じて実現したいことを教えてください。

向縄:私の人生の意義、人生の「Why」は「身近な人・地域に笑顔溢れる日常を創造する」ことです。

自分が関わる事で、自分の影響力は小さな波紋程度かもしれませんが、それが多く、そして合わされば、大きな波紋になると思っています。それなので、多くの企業様に伴走する事で、関わる人の日常に、そして、その方々が関わる地域・社会に笑顔が生まれる、そんな関わり方をしていきたいと思っています。

ただし、「浪漫」だけでは、それは「夢」で終わってしまいますので、企業様の過去の知見・技術、またチームメンバーの知見・技術、私が過去に経験してきた事・学んできた事を全て出し切り、チームで「算盤」を活用して、浪漫を現実に実現していきたいと思います。

実際、5つのプロジェクトに関わらせて頂いていますが、各企業様、その想いに向かって突き進まれているので、私のWHYの部分の実現にも繋がっていると思っています。

取り組みを通じて日々、知の移転が行われている

ーー取り組みを通じて、協働パートナー企業の変化を感じるときはどんなときですか?また、どんなときに協働プロとしてやりがいを感じますか?

向縄:協働先のパートナー企業の変化としては、大きくは2点感じています。

1つ目は、お取り組みさせていただいた企業のみなさんが、「浪漫:Purpose」を起点に事業を組み立てることができるようになり、それを言語化して、自ら社外に語れるようになったことです。

ホームページ・SNSの運用を通じて、社外へのアプローチしている時にご自身の言葉で明文化してきた想いを語る姿を見て、とてもやりがいを感じました。

2つ目は、以前に増して企業のみなさんが「顧客志向:WHO」を意識されて話されるようになっている事だと思います。常に、誰が顧客で、顧客の方が何を考えられているのか、そこを意識された上で、戦術部分を検討・実行されるようになりました。

一緒に伴走しながら、自身の思考プロセスやノウハウを伝えてきたので、パートナー企業が自立して行く姿を側で見れたことはとても嬉しい変化でした。協働日本の伴走型支援の目指しているところでもあるので。

ーー向縄さんご自身も、協働日本に参画したことで生まれた変化はありましたか?

向縄:自身の変化としては、実は色々な事業に関わらせてもらいながら、同時に自分と向き合う事ができ、事業家としての視点を1段も2段も引き上げて頂いているように思います。

熱い経営者の想いや経営課題をお聞きする事で、「自分はどうなのか?」という内省だったり、「この視点はなかったから、この視点を持って事業を考えてみよう」という気づきを毎回得られます。

また、一緒に協働している協働日本メンバーの知見や考えを聞く事で、事業家としての力が格段に上がってきているようにも思います。それなので、一方通行ではなく、双方向で、知の移転が行われているように思います。

少し、エモーショナルな話で言えば、関わらせて頂いている企業様の地域にとても興味が湧き、住んでもいないのに、勝手にその土地に愛着が産まれている事です笑 滋賀県、静岡県、鹿児島県、石川県・・・・今はインドネシアに住んでいますが、帰国後は絶対行きたい県です。

協働日本は今後、企業や組織を越えた存在に

ーー最後に、向縄さんは協働日本は今後どうなっていくと考えていらっしゃいますか?

向縄:「 関わる人が活性化するプラットホーム 」として、一つの企業・組織を越えた存在になると思っています。

地域や企業、複業人材、などの要素が交わり有機的に繋がりつづける「場」になることで、つながるのは地域の企業と協働日本だけではなくなっていくと思います。

町や市、県といった地域や、色々な業界、地域の名産品や観光地もこのプラットフォームに集いだしています。これからも一緒に日本を活性化していきたい人達が集まる場になっていく事を期待しています。

ーー今日は色々なお話をお伺いできました。ありがとうございました。

向縄:本日はありがとうございました。

向縄 一太
Ichita Sakinawa

花王(株) Senior Manager ※現在 PT.Kao Indonesia(インドネシア)に出向中 

大学卒業後、花王(株)で18年以上一貫してマーケティング業務に従事。国内衣料用洗剤(アタック、ニュービーズ)ブランド担当、タイでの海外駐在を経て、アジアホームケア事業(マジックリン)のシニアマーケターとして、アジア7ヵ国を担当し、事業戦略・マーケティング戦略等(商品開発含)の立案を推進。現在は、インドネシアに駐在し、経営戦略・事業戦略立案・実行、既存ブランドの推進を行う。

専門領域

経営戦略、事業戦略、マーケティング戦略、商品開発、市場調査(消費者インサイト発掘)

資格:日本マーケティング協会認定 マーケティング・マスター

人生のWHY
自分が関わる人の 「笑顔溢れる日常」 を創造する

向縄 一太氏も参画する、協働日本事業については こちら

NEWS:【11/22(水)15:00~】代表の村松がモデレーターで登壇「融合が日本を変える。働き方先進県いしかわを目指して」(山岸製作所60周年記念イベント)

代表の村松がモデレーターで登壇「融合が日本を変える。働き方先進県いしかわを目指して」(山岸製作所60周年記念イベント)

株式会社山岸製作所さまが設立60周年を迎え、アニバーサリーイヤーを機に「融合」をテーマに記念イベントを開催されます。

イベント内、「リマーノ」オープン記念トークセッション『融合が日本を変える。働き方先進県いしかわを目指して』に弊社代表の村松がモデレーターで登壇します。

お申し込みはこちらから
ヤマギシ イノベーション60 山岸製作所60周年記念イベント

経済産業省で日本の働き方改革をリードしてきた西垣淳子副知事、元総務省審議官で「働き方スペシャリスト」箕浦龍一氏を、山岸製作所の山岸晋作社長とアイ・ツー松崎秀規社長がお招きし、石川県のこれからの働き方についてディスカッションし、中小企業の働き方改革実現への鍵を探ります。
本イベントのモデレーターを、弊社代表の村松知幸が務めます。

下記にて本イベントの概要をご紹介します。皆様のご参加を心よりお待ちしております。


セミナー概要

11/22(火) 15:00~16:30 (17:00~ オープンオフィス・カクテルパーティ開催)

テーマ
『融合が日本を変える。働き方先進県いしかわを目指して』

会場
リマーノ(金沢市広岡) 【定員10名】
オンライン【zoom ウェビナー 定員200名】

GUEST
石川県副知事 西垣淳子氏
公務部門ワークスタイル改革研究会研究主任 箕浦龍一氏
株式会社アイ・ツー代表取締役 松崎秀規氏
株式会社山岸製作所代表取締役 山岸晋作氏

MODERATOR
株式会社協働日本代表取締役社長 村松知幸


お申し込みはこちらから
ヤマギシ イノベーション60 山岸製作所60周年記念イベント

VOICE:協働日本 横町暢洋氏 – 二足の草鞋を本気で履いて生み出した変化と自信 –

協働日本で活躍するプロフェッショナル達に事業に対する想いを聞くインタビュー企画、名付けて「VOICE」。

今回は、協働日本で、地域企業に対して、経営やマーケティングに関わるデータの解釈や分析をサポートしたり、デジタルツールの活用方法をレクチャーするなど、デジタル領域に関連した支援を行っている横町 暢洋(よこまち みつひろ)氏です。

大学卒業後、NECソリューションイノベータ(株)で携帯電話及びパソコン向けソフトウェア開発に従事。その後2015年から日本電気(株)を 兼務し、サービス事業創出・開発・運営に従事。現在は、一次産業のデジタルトランスフォーメーションを推進し、AIを活用して養殖業などの一次産業の人手不足であったり、デジタル化が進んでいない領域の課題解決にも取り組んでいます。

協働日本でも、デジタル支援のほか、プロジェクトマネジメントとしても参画している横町氏。
「地方を元気に」という想いを実現するべく協働日本に参画したエピソードや、実際の取り組んでいる地域企業とのプロジェクトで感じた変化、得られた気づきや学びをインタビューで語りました。

(取材・文=郡司弘明)

協働日本に参加したことで生まれた自分自身の変化

ーー本日はよろしくお願いします。協働プロとして、地域企業のデジタル活用の文脈から数多くのプロジェクトで大活躍されている横町さんですが、普段のお仕事や、取り組まれていることについてぜひ教えてください。

横町 暢洋氏(以下、横町):よろしくお願いします。NECソリューションイノベータで、ソフト開発をする50名程度の組織の部門長をしています。

会社から半期ごとに示される予算計画に対して、達成するための戦略を考えたり、組織のメンバーの変革に挑戦してみたりといった仕事もありますが、時に現場でソースコードを見たりすることも。

会社で新しい働き方を自ら実践して、それらを会社に提案する、なんてことも自分の仕事だと思って積極的に取り組んでいます。

ーー横町さんは北海道など日本各地で、一次産業支援のお仕事にも取り組まれていると伺いました。どんなお取り組みなのか、ぜひこちらもお聞かせください。

横町:元々、海とか魚が好きなこともあり、大学で水産を学んでいたのですが、ITの魅力にひかれて、この会社に入りました。ただ、意図せず、今は、AI×一次産業の掛け算、特に養殖業の分野で人手不足であったり、デジタル化が進んでいない領域の課題解決に取り組んでいます。今は、魚群による魚病の予兆などに、部門として取り組んでおり、難しいことばかりで、なかなか簡単に成果が出るものではないですが、とてもやりがいを感じています。

ーーなるほど、期せずして学生時代から興味のあった分野と現業が結びついたのですね。また、横町さんは会社の中でも新しい働き方を積極的に取り入れていると伺っています。

横町:新しい働き方という文脈では、近年「ワーケーション」に会社のメンバーと取り組んでいます。スタートした時は、たった一人で実践していたのですが、興味を持ってくれそうな人を探して、お誘いしてチームを作り、会社の上層部に話を通して、今年に入って秩父と鹿児島でワーケーションを実施しました。

ーー会社員としても、積極的にユニークな働き方を実践されていますね!

横町:コロナでコミュニケーションの量が減っていた同僚同士が、働く場所を変えて会話が弾み、一緒に露天風呂に入りながら仕事の話をしているのを見て、とても嬉しく思いました。社内でも少しずつ仲間が増えてきたので、活動の輪を広げていきたいと思っています。いずれは、会社の制度として導入するところまでを目指しています。

それ以外にも人材育成の側面で、スパイスアップジャパンの豊田さんと連携させて頂き、ミッショングローバルオンラインというプログラムを導入して変革人材の育成に挑戦してみたり、来年度からは新しい越境学習のプログラムも社として参画できないかと思って準備しています。

協働日本で働く前は、ここまで積極的に会社を変えたいと思って行動するタイプではなかったので、協働日本に参画して、自分自身もだいぶ感化されているなと思っています(笑)

協働プロとしての活動からの学びを本業に還元

ーー会社員を続けながら、複業として協働日本に参画している横町さんですが、こういった働き方や得られた知見などを、周囲のメンバーに伝えることもあるのですか?

横町:NECは申請すれば複業OKなので、協働日本で働いていることはオープンにしています。実は部門のメンバーの数名に、協働サポーターとしてプロジェクトを支援してもらっていますし、協働プロの活動を通じて学んだことは、部門のみんなに共有しており、協働プロとしての活動は積極的に社内に還元しています!

周囲にはエンジニアが多い環境なので、こうして関わってくれるメンバーにとっても、マーケターや事業開発、クリエイター、Webデザイナーなどからの学びは、今の組織にはない考え方が多く、良い学びになっていると思いますよ。

あのとき思い切って飛び込んだから今の自分がある

ーー横町さんが協働日本に参画するきっかけはどんなものだったのでしょうか?

横町:NECの同僚から協働日本代表の村松さんを紹介されたことがきっかけです。

ちょうど村松さんが協働日本を立ち上げて独自のスキームで地域企業の伴走支援事業を始めようとされていたタイミングだったこともあり、会社員としてこれまで培ってきた経験を活かして、複業という形で「金沢の老舗企業を一緒に伴走支援しない?」と誘ってもらえたんです。

それが協働日本としても最初の協働事例でもある、石川・金沢で1875年の創業から140年以上続く、かぶら寿しで有名な老舗の発酵食品専門店の四十萬谷本舗さんとのお取り組みでした。そこから、四十萬谷本舗さんの抱えていた課題に応じて編成された、協働プロによるプロジェクトチームの一員として協働日本に正式に参画し、伴走型支援に取り組むことになりました。

ーー村松さんとの出会いが、地方を元気にしたいという想いを実現できるきっかけになったんですね。四十萬谷本舗さんとのお取り組みは今も継続しているのですか?

横町:はい、今も継続的にお取り組みさせていただいております。初めて四十萬谷本舗さんを訪問した時、先方が冬の忙しい時期だったこともあり、朝5:00に顔合わせの挨拶をしたのを今でも覚えています(笑)

そこから自分自身、経営者のために一生懸命提案を考える中で本当に成長させていただきましたし、実際に現地に行って、仕事を通じての繋がりだけでなく、いち友人としても繋がらせていただきました。今振り返っても本当に思い切って飛び込んでよかったと思います。

もともと、NECソリューションイノベータで働いている中で、漫然と地方を元気にしたいとずっと思っていました。会社員として仕事をしている中で日本を見渡して見たとき、地方拠点から少しづつ元気がなくなってきている感覚があり、地方拠点と首都圏での熱量的な差を感じていたからです。

そんな想いを抱えていた私が、行動できたきっかけは「村松さんという面白い人に誘われたので、そこに飛び込んでみよう」というシンプルな話だったのです。それでも一生懸命に取り組んだことで、「地方を元気に」という長年の想いを行動に移すことができました。悩んでいる人はどんなきっかけであれ、行動してみることが大事ですね。

デジタル領域のプロとして全国の企業に向き合う日々

ーーここからは、協働日本での活動についていくつかお聞きしたいと思います。横町さんは、どのような分野で地域企業をご支援されているのでしょうか。

横町:本当は得意なIT業務で支援したいところですが、直接的なIT業務での複業は禁止されていることもあり、デジタル領域に関連したデータの見方を支援したり、そこから得られたデータの解釈をともに行うといった支援が中心です。また、デジタルツールの活用支援も専門としています。デジタル領域以外では、協働プロをまとめ、プロジェクトの方針や戦略を策定するプロジェクトマネジメントとしても参画しています。

ーー現在は何件ほどプロジェクトに参画していらっしゃいますか?

横町:現在参画している案件数は11件ですね。デジタル領域の支援と、プロジェクトマネジメントの割合は、半々くらいです。活動自体は、平日の夜と、たまに週末も使って週に1回ペースでの打ち合わせをしています。

ーーなんと、11件!まさに大活躍ですね。ぜひいくつか実際の取り組み事例をご紹介ください。

横町:協働プロによるチームを編成し、その一員として協力しあいながら、パートナー企業とも伴走支援というスタイルをとっていることで、会社員として時間的な制約がある中でも、ひとつひとつの案件にしっかりと向き合うことができています。

取り組み事例のひとつとして、鹿児島県からの委託事業でオービジョンという企業をご支援しています。オービジョン様は鹿児島の農畜産物産直ECサイト「かごしまぐるり」を運営しており、それを伴走支援するプロジェクトのプロマネとして参画しています。「かごしまぐるり」を運営されている大薗順士さんは、想いと行動力に溢れ、生産者様のことをいつも本気で考えている鹿児島最強の育メン経営者です!

そのプロジェクトでは特に、大薗さんが行う現状整理と目標設定、目標達成へ向けた勝ち筋の検討に伴走しています。経営課題の本質を捉え成果を挙げられるよう、プロマネとして一緒に参画しているECサイト運営の知見が豊富な協働プロ2名の力を最大限引き出せるように注力しています。

横町:同じく鹿児島県のサクラバイオという企業と連携して、中高生に「将来働くために役立つIT」を教えるというプロジェクトにも講師役として参画しています。主に、WordPressとデザインを教えており、もうすぐ半年が経過しますが、生徒たちは想像を超える成長を遂げています。

リモートでのレクチャーならではのコミュニケーションの難しさもありますが、講義の前後で雑談をしてくれる子がいたり、講義中はチャットでコミュニケーションをとってくれたりと生徒たちもとても協力的です。実は先日、初めて生徒にリアルに会いに鹿児島まで行きましたが、「あっ、先生って本当に存在するんですね」と(笑)

講義は毎週ありとても苦労しているのですが、所属するNECの後輩たちに手伝ってもらってなんとかやれています。ありがたいことに、会社の後輩たちも、教育の現場で自分たちの経験や知識を活かせることは、普段の業務では経験できない良い経験になっていると言ってくれています。

横町:静岡県の脇役商品という企業が運営しているECサイト「しずまるネット」の運営支援にも取り組んでいます。このプロジェクトでは、デジタル支援担当として、データの見方とか、過去のデータに基づいて、今後の仮説を立てて検証するまでを担当しています。

他の協働プロが主体となって、Webサイトの改善やSEO対策、SNS改善などをおこない、私は、その打ち手によって何がどう変化したかをデータで検証するお手伝いや、仮説立てを伴走支援しています。

ここでも会社の後輩にプロジェクトチームに加わってもらいました。こうしてみると、周囲の力をたくさん借りていますね(笑)

協働日本の取り組みから学べることは本当に多いので、今後も、会社の同僚や後輩で協働日本の取り組みに興味を持ってくれた方とは、是非一緒に取り組んでいきたいと思っています。

データ活用を支援するうちにパートナー企業に変化が

ーー取り組みを通じて、協働パートナー企業の変化を感じるときはどんなときですか?また、どんなときに協働プロとしてやりがいを感じますか?

横町:取り組み先のパートナー企業の一社に「まつさき」という金沢で創業約180年の老舗旅館がいらっしゃいます。その案件には、枦木 優希(はぜき ゆうき)さんがマーケティング領域の協働プロとして、協働日本CSOの藤村昌平さんが事業開発領域の協働プロとして参画しており、私はデータの解釈や分析といったデジタル領域の協働プロとして参画しています。

まつさきのみなさんは、伴走型支援を通じて少しずつご自身で、「お客様は、どういう理由で、まつさきという旅館を選んでくれているのだろうか」とか「お客様は、まつさきをどうやって知ってくれているのだろうか」といった問いを言語化するようになりました。

そうして次第に、データに基づいて「こういう仮説に基づいてこういう打ち手を考えています」というお話をまつさきさんからしてくださるようになりました。

仮説を立てるプロセスの中で、データをどう整理し何を読み取るか、その読み取った結果をどう解釈するかという視点が培われたことで立てる戦略の精度も向上しました。

データはファクトをおさえるためには非常に有効な手段であると思っています。一方で、データは単なる数字なので、その数字をどう解釈するかという点は本当に難しさがありますし、すぐに身につくものではありません。私自身もその難しさをよく知っているからこそ、まつさきのみなさんがそこに向き合って、データ活用に前向きに取り組んでくれたこと自体がとても嬉しかったです。

協働の場を活かして本業にも還元していきたい

ーー横町さんが、協働日本を通じて実現したいことはなんでしょうか?

横町:まだまだ漠然としていますが、先程も述べた「地方を元気に」という想いを実現したいと思っています。その先で、日本が元気になればよいなと思っています。

協働日本での取り組みを通して、日本には本当に良いものがたくさんあって、熱い想いを持った方がたくさんいるということを実感しています。地域の経営者の方はもちろんですが、協働プロも本当に熱い想いを持っている方がたくさんいます。

そういう方との協働を通じて、私の経験が経営者の方々の気づきになればと思っています。自分自身ももっと経験を積んで地域の企業に貢献していきたいと思っています。

あとは、本業にもこの経験をどんどん還元していきたいです。協働日本での私の活動を通して、勤めているNECソリューションイノベータのメンバーも協働日本での取り組みに加わってもらい、私と同じような経験をしてもらうことで、もっともっと良い会社にしていきたいと思っています。

勤め先のNECソリューションイノベータという会社が好きなので、こういった機会を活かして多くのメンバーに成長してもらい、企業としてもさらに成長していってほしいと本気で思っています。

複業という形で二足のわらじを履いている自分だからこそできることだと思いますし、そこから周囲にいろいろな変化を生み出していくことも私の使命ですね。

広い視野で仕事をしたことで自分自身が大きく変われた

ーー協働日本に参画して生まれた、横町さんご自身の変化を教えてください。

横町:私は就職して以来、ずっと一つの企業に勤めているので、他社の経営者の考え方に触れたり、様々なバックグラウンドを持つ協働プロの考えに触れたりすること自体が刺激になっています。会社の中だと良くも悪くも、目の前の業務を通じてしか会社の経営に触れられず、視野が狭くなりがちです。

協働日本の伴走型支援では、経営者と同じ目線に立って、マーケティング支援、事業開発支援、はたまたECサイト業務支援といったプロジェクトなど広い視野で取り組まなくてはいけません。そのため、今まで鍛えたことがない筋肉を日々鍛えている実感があります。

特に、マーケティング支援のプロジェクトに関わったことで、目の前の業務の先にいる、「お客様」のことを考え抜くようになりました。これも自身の大きな変化ではないかと思っています。

あとは、NECソリューションイノベータの方でも変化は大きいと思っています。会社員的な変なことに忖度をしなくなり、自分が正しいと思ったことや、やりたいと思ったことを口に出せるようになりましたし、何よりフットワーク良く行動できるようになったと思います。

社内へのワーケーションの導入へ向けた取り組みであったり、新しい社員教育プログラムの導入であったりと、昔の私ではここまで短期間では行動できなかったと思います。

私自身、まだまだ、「これを掴んだ」とか「ここが成長した」という意味では満足していませんが協働日本の立ち上げから今まで、何とかやれているなという点は自信にもなっていますし、気が付けば11案件をこなしているということも自信になっています。

協働日本には、実績も経歴も申し分ないような、まさに錚々たる協働プロメンバーが所属しています。一方で私は本当に普通の人間だと思っています。

そんな、私が、ここまで変わってこれたのは、協働日本での取り組みがあってのことだと思っており、ぜひ、このような体験を、「自分では無理だよ」と思っている人にこそ、経験してほしいなと思っています。

協働日本は変化し続け、ここからとんでもないことが起こる

ーー本日はインタビューありがとうございました!それでは最後の質問です。横町さんは、協働日本は今後どうなっていくと考えていますか?

横町:うーん。正直よめないですが(笑)少しずつ、毎年変わっていくと思います。

きっと協働する企業もどんどん増えていくでしょうし、チームを組む協働プロも協働日本の取り組みに共感した様々な人が加わってくれると思います。

そうして新しい人が増えると新しい感性が加わって、提供できる伴走支援の幅が広がる。そこから生まれたひとつひとつのユニークな取り組みが、地方を起点として、少しづつ日本全国に広がり、日本が元気に、そして熱くなるのではないでしょうか。きっと良い方向に変わり続けていくのだと思います。

自分のスキルや経験を活かして「xxxを良くしたい!」という熱い想いを持った方は、日本にたくさんいると思っています。ただ、誰かが背中を押してくれたりしないと行動できない方が多いのかもしれません。私も以前はそうでした。

今後、協働日本が地域企業との出会いの場を提供し、想いを形にする後押しができれば、将来とんでもないことを起こせる、とんでもない会社になるのではと期待しています。

横町 暢洋
Mitsuhiro Yokomachi

NECソリューションイノベータ シニアマネージャー

大学卒業後、NECソリューションイノベータ(株)に入社、携帯電話及びパソコン向けソフトウェア開発に従事。2015年から日本電気(株)を 兼務し、サービス事業創出・開発・運営に従事。2019年より組織リーダに就任し、一次産業のデジタルトランスフォーメーションも推進。

専門領域
ITを活用した業務改善・効率化、ソフトウェア開発、サービス事業開発・運営

人生のWHY
人生に失敗はなく、常に挑戦あるのみ

横町 暢洋氏も参画する、協働日本事業については こちら

VOICE:協働日本 枦木優希氏 -本質的な「価値」を言語化し、歴史ある老舗企業の未来に貢献していく-

協働日本で活躍するプロフェッショナル達に事業に対する想いを聞くインタビュー企画、名付けて「VOICE」。

今回は、協働日本にてマーケティングを通じた企業支援に取り組む枦木 優希(はぜき ゆうき)氏です。

米国の大学を卒業後、大手飲料メーカーのサントリーへ入社し、オールフリーをはじめとする人気ブランドの戦略策定や新製品開発などを経験。その後、外資大手食品メーカーのダノンや、マースジャパンでマーケティング、ブランディングの経験を積み、その後はアマゾンジャパンでAmazon Prime Videoのマーケティング戦略のシニアマネージャーとして活躍。

現在は独立し、フリーランスのマーケターとして企業、NPOなど複数社のクライアントに対しマーケティングプロジェクトのマネジメントや戦略策定、アドバイザリー業務などを行っています。

協働日本でも、全国の様々な業種業態の地域企業と協働に取り組んでいる枦木氏。協働日本に参画したきっかけや、実際の取り組みの様子、これまでのキャリアの軌跡など、今後、協働日本を通じて実現したい想いと共に、インタビューで語りました。

(取材・文=郡司弘明)

枦木優希氏(写真右)と、パートナー企業で400年以上の歴史を持つ「荒木陶窯」15代目 荒木秀樹氏(写真左)

全国各地の地域企業とご一緒できることは、やりがいも学びも多い

ーーよろしくお願いします。枦木さんはこれまで、数々の有名企業でブランド戦略の策定などを推進し、マーケッターとして活躍されてきたと伺っております。現在のお仕事について教えてください。

枦木 優希(はぜき ゆうき)氏(以下、枦木):よろしくお願いします。いまは地域事業者を支援する協働日本での活動のほかに、数社とマーケティング関連のプロジェクトマネジメントや戦略策定、アドバイザリー業務などを行っています。

一社は、デンマークのブランドエージェンシーでブランド戦略の策定を通じて、大企業からスタートアップ、政府機関など幅広く支援をしています。他には、社会的価値とビジネス価値の両立を目指すソーシャルスタートアップでマーケティング戦略のアドバイザーとして働いたり、子どもの放課後をより豊かにすることに取り組むNPOでも活動しており、ここでもマーケティング領域での支援を行っています。

そのほか、都度、様々なマーケティングに関するご相談を企業や個人の方からいただいて、マーケティングに関するアドバイザリーなどをさせていただいています。

ーーまさにプロのマーケッターと呼ぶべきご活躍ですね。現在、協働日本でマーケティング領域のプロフェッショナル(協働プロ)として携わっているプロジェクトはいくつありますか?

枦木:現在、協働日本では5つのプロジェクトを通じて、各地域の企業をご支援しています。それぞれの企業の課題に応じた協働プロによるチームを編成し、その一員として協働型の伴走支援を行っています。

ーー支援先企業は近い業種や業態なのですか?実際に取り組まれていてどのように感じていますか?

枦木:支援先の企業はそれぞれ業種も業態もバラバラです。地域もそれぞれ異なります。しかしどの企業も素晴らしい商品やサービスを持っていて、協働日本との取り組みにも前向きに取り組んでくださっているので、ご一緒している私自身もやりがいがありますし、学ばせていただくことも多いです。

より「人と人との繋がり」が感じられる活動に参加したいという思いが強くなっていた

――枦木さんが協働日本に参画するきっかけはどんなものだったのでしょうか?

枦木:協働日本に参加する前に通っていた「大学院大学至善館」での学びが間違いなくひとつのきっかけです。協働日本代表の村松さんと出会ったのも、その大学院でのご縁でした。

至善館では、哲学、宗教社会学、システム思考、公共政策など幅広い分野をリベラルアーツの一環として学べるカリキュラムだったのですが、そこでの学びを通じて、今まで当然だと思っていて深く考えず前提にしてしまっていた事柄が相対化され、色々な気づきがありました。

その中で資本主義的な物の行き過ぎや、大きなシステムの中に個人の生活が取り込まれてしまうことへの課題意識が自分の中に生まれました。

より人と人との繋がりが見えたり、感じられるコミュニティ起点の活動に参加したいと思っていた中で、卒業生である村松さんが協働日本を立ち上げて独自のスキームで地域企業の伴走支援事業を行っていることを知り、意義に共感して参画を決めました。

――協働日本へ参画したことで枦木さんご自身の変化や、新たに獲得した視点などはありますか?

枦木:今まで複数の企業で働いてきましたが、その中で体験した変化や組織毎の違いと比較しても、協働日本でご一緒する企業が持っている志や背景、課題はより多様で、それぞれがよりユニークだと感じています。

日々のプロジェクトの中で新たな発見があり、自分自身の視野が広がるのがとてもありがたいと思っています。

また、日本のそれぞれの地域が本当に様々な価値を持っていることに気づきます。その多様性が画一的な何かに飲み込まれるのではなく、生き生きと持続していく未来に少しでも貢献できればと思っています。

これまで大切にしてきた強みと、マーケティング思考が組み合わさることで変化が生まれた

ーー枦木さんと地域企業の取り組みについて、全国で素敵な変化が生まれているようですね。いくつか実際の取り組み事例をご紹介ください。

枦木:取り組み先のパートナー企業の一社に「まつさき」という金沢で創業約180年の老舗旅館がいらっしゃいます。こちらとは半年近くプロジェクトで関わらせていただいております。

取り組みのきっかけは、新型コロナウィルスの感染拡大の影響もあり、社会情勢やライフスタイルが大きく変わる中で、旅館業としてのパフォーマンスを改善していきたいという先方の課題感でした。

協働日本と取り組みをスタートさせた直後から、課題となるテーマの洗い出しをしていくと、平日の稼働率の向上が柱になりそうだということが分かってきました。
今はさらに客単価の高いお客様に来ていただくための価値づくりや、情報発信などの戦略も組み合わせ、複合的な課題にチームで向き合っています。

ーー枦木さんの気付きや、「まつさき」さまに生まれた変化はありましたか?

枦木:歴史も伝統もあり、それに裏打ちされた確かなおもてなしがある。これはまつさきさんの一番の強みだと再認識しました。

世の中の動きの中で、価値がうまく伝わらなくなっていたり、昔ながらのやり方を少し工夫するだけで、その本質的な価値が、再びお客様に伝わるようになってくると思っています。

まつさきのみなさんは、マーケティング上、欠かせない「お客様視点」を元々しっかりと持たれていました。
そのため我々が、フレームワークや仮説立て、検証方法など、新たな視点を提供し、一緒に議論を進めるなかでみなさんの中で生まれた気づきが、これまで大切にしてきた強みとうまく組み合わさり、良い方向に変化が生まれ出してきています。

この変化は、週に1回の打合せの中でも日々変化を感じているところです。外部の目を取り入れたことで大小様々な好循環、化学反応が起きはじめています。

ーー老舗企業の経営者にとって、会社の存在意義や理念をあらためて徹底的に議論できる相手がいることはとても心強いですよね。

枦木:我々協働日本が、孤独な戦いも多い、挑戦する経営者にとって心強い伴走相手になれていれば、こんなに嬉しいことはありません。1936年創業の金沢の老舗家具販売会社「山岸製作所」もパートナー企業の1社なのですが、代表取締役の山岸晋作さんの新しい挑戦に我々も伴走させていただいております。

代表の山岸さんはいま、会社を大きく変えようとされています。それは、輸入家具やインテリアの販売、内装工事設計・施工というこれまでの主力事業を強化するだけでなく、「豊かな生活」そのものを提案できる会社への進化です。

そこで重要なのが、ブランディングを強化していくこと。ブランディングを考えるにあたってまず、山岸製作所自体の提供価値を考えることからご一緒しています。日頃の多忙な業務に追われていると、「山岸の提供する価値」はという本質的な問いを深掘りする時間がなかなか持てませんが、週に一回の伴走型支援の場で我々を壁打ち相手として活用いただき、山岸製作所のブランド価値の言語化を進めていただいています。

週に一回の時間を使って、事業開発と並行して、企業価値そのものの言語化を進めてきたことは様々な好循環を生み出しており、お客様に対するエクスターナルなブランディング施策だけてなく、インターナルブランディングも着実に進みだしています。

400年の歴史と持つ伝統事業者とともに次の時代の新しい価値を作る

ーー枦木さんは、400年を超える歴史を持った薩摩焼の伝統事業者である「荒木陶窯」さまとも協働に取り組んでいます。ぜひこちらも取り組みの様子を教えてください。

枦木:先日、鹿児島へ赴き、現代の名工でもあるご主人の荒木秀樹さんと直接お会いしてきました。
取り組み自体はちょうど2ヶ月目を迎えたところなのですが、実際に窯元を見学させていただき、お話をじっくりと伺っていく中で様々な事が見えてきました。

荒木さんご自身も、薩摩焼の伝統窯として伝統的な価値を守りつつも、時代に合った新しい価値を作っていきたいという想いを強く持たれており、このお取り組みからぜひ新しい「荒木陶窯」の価値を作っていけたらと思っています。

ーーそれはどういった背景からでしょうか?

枦木:インターネットの普及などにより、従来の販売チャネルが急速に変化し、自社EC など新たな購買チャネルへの対応も迫られるなか。お客様に対して荒木陶窯の提供する新たな価値や想いをどのように表現していくべきか。歴史ある伝統的な窯元であるがゆえの悩みに直面されていました。

伝統と技術に裏付けされた評価も既にあり、鹿児島の特産品としての人気も高く、「薩摩焼といえば荒木陶窯」という文脈の中でたくさんのお客様がお店を訪れてくれていました。

しかし、先述の変化の中で、長い歴史に裏打ちされた価値、15代目である秀樹さんが新たに創りあげようとされている価値を、新たな受け手を想定しながら言語化し、適切な形で伝えていくことが一層重要になってくると感じました。

いかに荒木陶窯の新しい挑戦の本質的な価値を言語化し、製品を含めた包括的な体験としてお客様に届けるか、マーケッターとしての自身のこれまでの経験を活かしたいと思います。

新しい視点や切り口が化学反応を生む瞬間にワクワクも生まれる

ーーお取り組みを進めていく中で、パートナー企業の変化を感じる瞬間はありますか?

枦木:プロジェクトの初期段階はお互いを理解するフェーズで少し緊張感があったりもしますが、一度一つのチームになると色々なことが有機的に進み始める感覚があります。それが「協働」というアプローチの良いところだと感じています。

プロジェクトでご一緒される経営者の皆さんは、誰よりも事業のことを考え、日々、試行錯誤をされています。事業に対しての志を共有しながらも、協働メンバーが提供する新しい視点や切り口が化学反応を生み、経営者の方がワクワクし始め、チームとして取り組みが進み始める瞬間に立ち会えると嬉しくなります。

国内外の企業で積み重ねてきたマーケッターとしての経験を活かしていきたい

ーーそんな枦木さんはこれまでマーケッターとしてのキャリアをどのように歩んできたのか、これまでのキャリアについてもお聞かせいただけますか。

枦木:大学時代はアメリカで過ごしており、テキサスの大学を出ています。卒業後は日本でサントリーに入社しました。 そこで飲料やビールのブランディング業務に携わることになりました。

ものづくりがしたい、その商品の価値を広めていきたい、という思いで入社した会社でしたので、希望する部署で仕事ができたことは、本当に幸運でした。 

ーーその後、ご転職をされたわけですが、どんなことがきっかけだったのですか?

枦木:沢山のことを学んだ会社で、入社から多様な製品やプロジェクトに関われたことは大きな財産となっています。

6年ほど勤めているなかで、マーケティング、ブランディングの領域を自身のキャリアとして考えるようになりはじめました、「他の会社ではどんなアプローチをとっているのだろう?」などと色々興味が出てきて、まだ、血気盛んな若者だったこともあり(笑)、最初の転職を決意しました。

ーーその後のキャリアについてもぜひお聞かせください。

枦木:転職先のダノンジャパンではブランドマネージャーとして子ども向けのヨーグルトのブランドを担当することになり、より広くマーケティング、ブランディングの経験を積むことができました。自分のアクションやその結果がよりダイレクトな形で自分に戻ってくる、外資系企業ならではの面白さを知ったのもダノンでの経験でした。

そこから、マースジャパンで複数のブランドをマネージメントする役割につき、メンバーの育成や、複数のマーケットで展開するグローバルプロジェクトをリードする経験を得ることもできました。

その後、楽天に転職してマーケティングのキャリアを積む一方で、大学院に通いはじめ様々な学びを得たことも、冒頭でお伝えしたように、その後のキャリアを見つめ直すきっかけになりました。

仕事の方では、アマゾンジャパンの動画サブスクリプションサービス、Amazon Prime Videoのマーケティング戦略のシニアマネージャーとしての仕事を経験し独立、現在という流れです。

いま協働日本での協働を通じて、日本の地域企業や老舗企業の可能性を広げ、価値を最大化していく取り組みをしていますが、これ自体もWHYの部分に共感してスタートした取り組みなので大きなやりがいを感じており、自分自身が求めていた働き方が実現できています。

人や知恵が連携するきっかけになるような組織へ

――それでは、最後の質問です。これから協働日本はどうなっていくと思いますか?

枦木:協働というコンセプトを中心に、日本に存在する色々なモノゴトの間にある様々な垣根をしなやかに越えて、人や知恵が連携するきっかけになるような組織になったら面白いと思います。ちょっと意外な化学反応が日本各地で起こるといいなと思っています。

――インタビューへのご協力ありがとうございました!

枦木:ありがとうございます!私はもちろん、所属するすべての協働プロが、地域企業との取り組みに熱い想いを持っています。協働日本が提供する伴走型支援にご関心ある地域企業様はぜひお声がけください。

枦木 優希
Yuki Hazeki

フリーランスマーケター

大学卒業後、サントリー(株)に入社。飲料事業、酒類事業において複数のブランドのブランド戦略策定や新製品開発などを経験。その後、ダノンジャパン、マースジャパンにおいてグローバルブランドのマネジメントやマーケティングチームの育成などに従事。アマゾンジャパンでは、プライムビデオ・シニアマーケティングストラテジーマネージャーとして課金サービスのマーケティング戦略策定を行う。現在は、フリーランスとして企業、NPOなど複数のクライアントに対してマーケティング関連のプロジェクトマネジメント、戦略策定、アドバイザリー業務などを実施。

専門領域
事業戦略、ブランド戦略、マーケティング戦略、商品開発戦略

人生のWHY
「人間」らしくやりたいナ

枦木優希氏も参画する、協働日本事業については こちら

NEWS:【10/26(水)19:00~】オンラインセミナー開催のお知らせ「実践の場で社員が急成長!次世代変革リーダーの成長を加速する~協働型プログラム 越境チャレンジとは~」

オンラインセミナー開催のお知らせ「実践の場で社員が急成長!次世代変革リーダーの成長を加速する~協働型プログラム 越境チャレンジとは~」

この度「実践の場で社員が急成長!次世代変革リーダーの成長を加速する~協働型プログラム 越境チャレンジとは~」のオンラインセミナーを開催いたします。

お申し込みはこちらから
【無料/オンライン】実践の場で社員が急成長!次世代変革リーダーの成長を加速する~協働型プログラム 越境チャレンジとは~

変革人材育成のパイオニアである(株)スパイスアップ・ジャパンと、日本中の地域中小企業の伴走支援を行う(株)協働日本が連携し、これからの時代に求められる変革リーダーの要素を踏まえ、新しい越境経験のアプローチ協働型プログラム「越境チャレンジ」をご紹介します。皆様のご参加を心よりお待ちしております。


セミナー概要

2022.10.26(水) 19:00~20:00 Zoomウェビナー形式
テーマ:『実践の場で社員が急成長!次世代変革リーダーの成長を加速する~協働型プログラム 越境チャレンジとは~』
登壇者:
(株)スパイスアップ・ジャパン 代表取締役 豊田 圭一
(株)協働日本 代表取締役社長 村松知幸


益々変化が加速する複雑でVUCAな環境下で、特に企業の未来を担うリーダー人材には、いわゆる『越境経験』として、アウェイな環境下で事業経営や課題解決を当事者として経験し、実践することの重要性が高まっています。
一方で、既存の越境学習のプログラムには、長期にわたり、対象社員を現場から出向させる必要がある等、人事部にとって運用や導入しづらいなどの課題が聞かれます。

今回、リーダー人材の変革、成長を加速する新しいアプローチの実践機会をご紹介します。
変革人材育成のパイオニアである(株)スパイスアップ・ジャパンと、日本中の地域中小企業の伴走支援を行う(株)協働日本が連携し、これからの時代に求められる変革リーダーの要素を踏まえ、新しい越境経験のアプローチ協働型プログラム「越境チャレンジ」をご紹介します。
ぜひご参加をお待ちしております!

協働型プログラム「越境チャレンジ」の特徴

  • 難易度の高い地域企業の経営課題に直面することで、正解がない中で道筋を描く力が身につく。
  • 地域企業の経営者の視野、視座、想いに触れて、本気で向き合うことで当事者意識が磨かれる。
  • 第一線のプロフェッショナルの視点を学ぶことで、実践的なスキル・経験が得られる。
  • 定期的な振り返りの機会から、個人の変化や成長、本業へ還元できる学びを実感・言語化できる。

こんな方にオススメ

  • 越境学習に関心はあるが、既存のアプローチに課題感を感じている経営者、人事部長、事業部長
  • 社員に対して日常ルーティン業務とは異なる実践経験の場を提供したい人事担当者

こういった企業の想いを実現する、協働型プログラム「越境チャレンジ」について深く理解することができます!

お申し込みはこちらから
【無料/オンライン】実践の場で社員が急成長!次世代変革リーダーの成長を加速する~協働型プログラム 越境チャレンジとは~

お問い合わせ・連絡先
ippo@kyodonippon.work

STORY:チャンピオンカレー 南恵太社長 -自社経営幹部の伴走相手として経験豊かな複業人材を活用。実感した大きな「変化」とは-

協働日本で生まれた協働事例をご紹介する記事コラム「STORY」。

プロジェクトに取り組むパートナー企業の方と、プロジェクトに参画する協働プロをそれぞれお招きし、協働日本がどのようにプロジェクトを推進しているのか、インタビューを通じてお話を伺いました。

今回は、株式会社チャンピオンカレー 代表取締役社長 南 恵太氏と、同社への伴走型メンタリング支援を行っている協働プロの小谷 克秀氏にお越しいただきました。

金沢カレーの元祖でチャンカレの愛称で親しまれている「カレーのチャンピオン」。運営する株式会社チャンピオンカレーは、北陸3県を中心に店舗展開。金沢カレーの発祥の店として全国にファンを持つ、石川県を代表する企業の1社です。

現在、協働日本がお取り組みさせていただいている、チャンピオンカレー経営幹部の方々への伴走型メンタリング支援。

その取り組みのきっかけや、支援を通じて生まれた変化について、お二人にお聞きしました。

さらには今後の複業人材との取り組みの広がりの可能性についても、南社長に経営者の視点からメッセージをいただきました。

(取材・文=郡司弘明)

Web会議サービス(Zoom)を用いて南氏、小谷氏へインタビューを行いました。

短期間で大きな変化を実感した研修プログラム

ーー金沢カレーお馴染み、「チャンカレ」の愛称で親しまれている「カレーのチャンピオン」を運営する、株式会社チャンピオンカレーの南社長にお話を伺います。
ーー本日はよろしくお願いします。まずは協働日本と取り組むきっかけについてお聞きしてもよろしいでしょうか?

:よろしくお願いします。きっかけは、金沢の企業の経営者や経営幹部を集めた「Workit」という人材育成育成プログラムにチャンピオンカレーとして参加したことでした。

小谷:「Workit」は、金沢で数多く宿泊施設を運営している株式会社こみんぐると協働日本が共同開発した、短期集中型で経営課題に向き合うという「合宿型研修」プログラムで、金沢の企業の経営者や幹部候補を主な対象にしております。

以前、協働日本のインタビューでもお話したのですが、私も実際に講師役として参加し伴走支援させていただいています。

:もともと繋がりのあった知人に、Workitをご紹介頂きました。

ちょうど会社としても大きな取り組みを考えているタイミングだったこともあり、よい機会だと考えて役員メンバー3名と共に参加しました。

短期集中型で経営課題に向き合うプログラム「Workit」
ーー会社としての大きな取り組み。それはどんなことだったのでしょうか。

:それまで創業一族しか経営層にいなかったのですが、当時、一族以外の自社社員をはじめて役員登用したタイミングでした。

新たな役員メンバーには、社としても大きな期待を寄せています。

そこで彼らにはぜひ今後、経営層との共通言語となる「事業横断的な考え方」や「経営者視点」を深めてほしいと考えていましたが、あまり社員数の多くないこともあり、なかなか社員への研修機会を設けることが出来ていませんでした。

小谷氏は「Workit」の講師役として2泊3日の合宿に伴走
ーー実際に研修へ参加してみていかがでしたか。

:参加した研修は三日間で、実際に会社への新規事業提案まで形作るというものでハードな内容でしたが、研修を終えた彼らの様子を見て驚きました。

経営的な視点や、事業の捉え方など、短期間ながら大きな変化が生まれていました。

小谷:研修では、2泊3日という限られた時間の中で、課題の深堀りからフィールドワークまでを徹底的に行いました。最終日の三日目には参加企業の経営者に対して経営や事業に関する提案を実際に行うため、参加者はもちろん、講師も真剣勝負です。

事業開発に必要な足腰を鍛え、経営者に近い視座をみなさん獲得して帰っていきます。こういった経験は、普段の業務ではなかなか獲得できません。

南社長が、参加した役員の方の変化を感じていただけたのであれば、講師としても大変嬉しいですね。

ーーなるほど。その後どういった経緯で、伴走型メンタリングの取り組みがスタートしたのでしょうか?

南:参加した役員の変化を実感したこともあり、取り組みがこの研修単発で終わるのはとてももったいないと感じました。

そこで、参加した3名のメンター役という形で、3日間の研修で講師として伴走してくれていれていた小谷さんに引き続き伴走をお願いしました。

小谷:3日間という短期間で、実際に社長に新規事業提案を出さなくてはいけないのですから、参加者にとっても、ものすごいプレッシャーのかかる研修ですよね。

講師役として、研修を設計・運営していた私にとってももちろん責任は重大でした。

だからこそ、研修を終えてからも今後も継続的に支援を、とお声がけいただけたのは大変光栄でした。

伴走型メンタリングを通じて、社員が事業を多角的に見れるようになった

ーー伴走型メンタリングを通じて、どのような変化が生まれましたか?

南:小谷さんには、定期的に弊社の役員人材3名のメンタリングをお願いしています。

まだ始まったばかりではありますが、実業に対する課題感を持った上で、壁打ち相手を務めてもらっているので1回あたりの内容がとても濃いと感じています。

メンタリングをお願いしている役員は、それぞれ別領域・別事業を担当しているのですが、最近では3名とも以前より事業を多角的に見れるようになったと変化を感じています。今後もさらに期待しています。

ーー小谷さんは、具体的にはどのような頻度、内容でメンタリングを行っているのですか?

小谷:メンタリングは約2週間に1回の頻度で行っています。毎回1時間のミーティングでは、直面している課題の分析を行ったり、課題を整理・棚卸ししながら、一緒に戦略や戦術を考えています。

:メンタリングを通じて、貴重な外からのナレッジを取り込めています。

自分たちではなかなか気づけない視点を持ち込んでくださることも多く、ありがたいと感じています。

小谷:私はこれまでのキャリアの中で、経営者の右腕として働く経験が長かったこともあり、思考を言語化することやモデル化することには自信がありましたので、そういった強みを活かせているのかなとも思いますね。

取り組み企業の一員になって向き合うからこそ生まれる信頼

ーー小谷さんが、メンタリングの中で心がけていることはありますか?

小谷:特に心がけていることは、私もチャンピオンカレーの一員として関わることです。

外部の人間としてメンタリングするだけでは本質的な課題はなかなか見えてこない。自分も同じく会社の一員だと言う想いを持って飛び込んでいくからこそ、本当の意味で皆さんをサポートできると考えています。

チャンピオンカレーという会社の体制はもちろん、社員の皆さんの顔も頭に入っていますよ!

:小谷さんはそこがすごいと思います。

弊社の事情をしっかりと理解したうえで、壁打ち相手を務めてくださっている。だからこそ、信頼してお任せできています。

メンバーが抱えている抽象的な課題もひとつひとつ言語化しながら進めてくださっており、研修とは違う実践的な内容でメンタリングを組んでくれています。

小谷氏は実際に カレーのチャンピオン 店舗にも足を運んだ

人材育成に課題を感じている地方企業は多い

ーー近年では、IターンやUターンという形で、地方企業が優秀な人材を獲得する事例も増えてきています。一方、地方企業ならではの人材育成の課題はありますか?

:はい、貴重な人材をどうやって育てていくのかは、多くの地方企業の課題だと思っています。

優秀な人材を獲得することが出来たあとも、即戦力として事業に向き合ってもらいながら、日常的に視野を広く持ってもらったり、視座を高めるような時間を作るのはとても難しい。

そのため、小谷さんのような経営者とのビジネス経験が豊富な複業人材に、メンターとして伴走してもらうような取り組みは、ぜひ一度試して見る価値があるのではないでしょうか。

実際に小谷さんには、ミドルマネジメントをする人間の心構えといった点なども伝えてもらっています。やはり、経験から出てくる言葉はメンタリングを通じて彼らの刺激になっているようです。

ロジカルな部分だけでなく、事業そのものを彼らの中でどう位置づけるのかというマインドセットのようなものは、誰もが教えられるようなものではないのでありがたいですね。

日々、目の前の業務に向き合う日々の中で、どのように人材育成を育成するかは重要な課題

自律分散的な働き方が広がるからこそ「信頼」が大切になってくる

ーーこのような複業人材との取り組みは今後、どうなっていくと思いますか?

:経験豊かな人材と複業という形で取り組みができることに、可能性を感じます。

小谷さんには複業としてスポット的に稼働して頂いていますが、小谷さんのような方を従来のような形で雇おうとすると、コストが折り合わないことも多い。

今はオンラインで、場所を問わずに繋がることができます。今後は優秀な人材に、条件付きの中で事業をサポートしてもらうことがもっと当たり前になっていくのではないでしょうか。それぞれがアライアンスを組んで、自律分散的にチームで働く社会になっていくと思います。

だからこそ、信頼性というものが非常に大事になってくるとも思います。もちろんその人が持つスキルも大切ですが、その人がどういうマインドセットで取り組んでくれるのかが重要です。小谷さんとのお取り組みを通じても実感しました。

ぜひ協働日本さんには、熱い想いを持った、信頼できる優秀な人材のプールになっていただきたいと思います。

ーー本日はインタビューへのご協力、ありがとうございました。

:ありがとうございました。

小谷:ありがとうございました。

協働日本では、直接事業に関連したマーケティングや販促等のご支援だけでなく、人材育成といった観点でも伴走型支援をご提案可能です。

ご関心ある地域企業様は、お気軽に協働日本にお声がけください。

写真:山岸政仁(フォトデザイン・カンパニー)

南 恵太 Keita Minami

株式会社チャンピオンカレー 代表取締役社長

1985年石川県生まれ。米カリフォルニア大サンディエゴ校経済学部を卒業後、2009年に大和総研に入社。

東京都内の外食企業などの勤務を経て13年1月に家業であるチャンピオンカレーに入社。16年10月から3代目の社長に就任。

小谷 克秀 Katsuhide Kotani

(株)プロゴス 営業本部 マーケティング営業部 部長


大学卒業後、(株)パソナにて金融系大手法人営業・営業企画に従事。
楽天(株)にて楽天市場出展店舗向けの事業企画・事業開発を担当。
エン・ジャパン(株)にて新規事業開発・アライアンス戦略に携わる。
ランサーズ(株)にてセールス&マーケティング事業担当執行役員を経験。
その後、(株)レアジョブ プロゴスマーケティング営業部長を経て現職。

専門領域
新規事業開発、事業運営、事業企画、営業企画、新規事業担当者育成

人生のWHY
「天職創造」

協働プロの小谷克秀氏も参画する、協働日本事業については こちら

小谷氏が協働日本事業に対する想いを語った過去インタビューはこちら
VOICE:協働日本 小谷 克秀氏 -協働を通じて地域企業の「新規事業」に向き合う-

VOICE:協働日本 浅井南氏 -「地方だから」を魅力に変える!チームで実現する協働の形-

協働日本で活躍するプロフェッショナル達に事業に対する想いを聞くインタビュー企画、名付けて「VOICE」。

今回は、協働日本にてWebマーケティング、特にネットショップやECサイトの運営支援を通じた支援を専門にしている浅井南氏です。

ベンチャー企業にてWebデザイナー・ディレクター・ECサービス事業部長を務め、鹿児島県を拠点にして、EC・Webサイト制作・支援をこれまで10年以上手掛けてきた浅井氏。現在は、よろず支援拠点コーディネーターとしての活動のほか、鹿児島市ICT推進委員としても活躍しています。

協働日本を通じた取り組みと、取り組みの中から生まれた変化について、これまでのキャリアの軌跡や、協働日本の今後の可能性にも触れつつ語りました。

(取材・文=郡司弘明)

地域の魅力を発信していくことにやりがいを感じています

――本日はよろしくお願いします。浅井さんは現在、協働日本所属のWebマーケッターとして、パートナー企業様のECサイトやWebサイトの改善などを通じて複数のプロジェクトに参画されています。まずは、協働プロとしての活動以外のお仕事について教えてください。

浅井南氏(以下、浅井):よろしくお願いします。数年前に独立して、いまはフリーランスとして活動しており、ECサイトの制作やデザイン、企業の公式サイト運営、SNSの発信などをご支援しております。

企業や個人のお客様から「売り上げを伸ばしたい」や、「サイトをどうやって構築したらよいかわからない」などといったご相談をいただいているほか、最近ではSNSを活用した売り上げアップ施策などでお声がけいただく機会も増えてきました。

楽天市場に出店している方や、出店を検討されている方へのご支援も数多く携わらせていただいており、RPP(楽天プロモーションプラットフォーム)などの広告運用もご支援しています。

――いまお住いの鹿児島県では、「よろず支援拠点」の相談員としても活動されていらっしゃるとお聞きしました。

浅井:はい。「よろず支援拠点」は中小企業や小規模事業者様からの経営上の様々なご相談に対応するために国が全国に設置した無料の相談所で、私は鹿児島県のよろず支援拠点でWebやEC、SNSの専門家という立場から事業者様の相談にも乗っています。

最近では、自治体や商工会議所の方からセミナー登壇をご依頼いただくことも増えてきました。中小企業の経営者の方の中には「WebやECの活用を勉強したいと思っているけど、つまずいてしまった・・」「何から始めればよいのか分からない」といった方も多くいらっしゃいます。そういった方々のご支援を通じて、地域の魅力を発信していくことに日々やりがいを感じています。

鹿児島にUターンして気が付いた、本当にやりたかった仕事

――なるほど。これまでのキャリアはずっとWebマーケティング等に関連するお仕事を続けてこられたのでしょうか。

浅井:それに関してはちょっと違っていて。大学卒業後に地元の鹿児島を出て上京し、はじめて就職した先は、エアコンメーカーの修理を主に取り扱う部署。そこで修理サービスを支援するような事務職に就いていました。当時新卒だったこともあり、先輩方にはお仕事・プライベート問わず、大変お世話になりました。ここでの経験が、人生の基礎となった事は間違いありません。

その後数年たったタイミングで、無性に大好きな地元、鹿児島県にUターンしたくなってしまって。仕事も決まらないまま、とりあえず、と地元に帰ってきてしまいました(笑)

――なんと!少し意外でした。そうして鹿児島に戻ってこられてからはどんな活動をされていたのですか。

浅井:企業勤めで忙しく色々な仕事を経験させていただいた分、自由な時間が欲しくなって、自由を謳歌させていただいておりました。

そのうちに、これから自分は何を仕事にしていきたいか考えたとき、地元鹿児島でものづくりがしたいと思ったんです。趣味でこれまで、アプリやWebサイトを作っていたのですが、これに本気で取り組んで仕事にしてみようと思い立ちました。

そんな時、前職のエムコミューン(mcommune)の社長と出会い、一緒に仕事をすることになりました。知識や経験のない私でしたが、そこで1からデザインやコーディングを学ばせていただきました。一緒に働くスタッフも増え、チームでの制作ができるようになってからはディレクション側での経験も積ませていただきました。

エムコミューンに所属していた10年間。気付けば手がけたHPやご支援先は250社近くになっていました。多くの経験を積む中で、HPの運用や運営、Webショップを成長させるノウハウ、商品開発などをご支援出来るようになっていました。

――浅井さんは現在、フリーランスとして活動されていますよね。こういった経験が今の仕事の背景にあったのですね。

浅井:はい!前職での仕事を10年目を一区切りにして、独立しました。いまはフリーランスとして活動をしていますが、上京して働いていた経験も、前職で学んだ知識や得られた経験もすべて今の仕事の糧になっています。

一度地元を離れて仕事をしたことも、地域の魅力を再発見できるいい機会になりました。

私がしたかった支援のスタイルはこれだ!と思った

――浅井さんが協働日本で共に取り組むことになったきっかけを教えてください。

浅井:鹿児島でセミナーに登壇されていた、協働日本代表の村松さんと偶然お会いしたことがきっかけでした。

私は日々WEBマーケティングの仕事をする中で、様々な企業の取り組みにアンテナを張っていますが、石川県金沢市にある「四十萬谷本舗」さんが発信している商品開発のストーリーや、複業人材とのプロジェクトを地域企業の取り組み例の記事で目にして、とてもユニークな事例だと思って、個人的に関心を持って追いかけていたんです。

たまたま鹿児島に来られていた村松さんのセミナーの中で紹介されていた四十萬谷本舗さんの事例を聞いていてびっくりしました。追いかけていた取り組み事例が、実は協働日本のみなさんとのものだったのです。

私自身も、よろず支援拠点の活動もする中で支援力を更に高めていきたいという思いがあったこともあり、一緒に取り組ませていただきたいとお声がけしました。

――それは驚きの出会いでしたね。浅井さんのイメージする地域企業支援の取り組みと、協働日本が大切にしている「協働」型の取り組み、重なる部分が大きかったのでしょうか。

浅井:お話を伺って、私がしたかった支援のスタイルはこれだ!と思いました。

私自身は個人で企業を支援することも多いのですが、一方の協働日本はパートナー企業に対して、原則、複数名の協働プロで構成されるチームで支援にあたります。

チームで支援できるという体制は、パートナー企業にとっては様々な知見や経験をベースにした伴走型支援が得られるメリットがあります。企業を支援するフェーズによっては、各協働プロメンバーの強みを活かして最適なチームメンバーを編成しながらサポートすることもでき、これによって連続的に中長期的な伴走が可能になります。

プロジェクト単位でのスポット型の支援ではどうしても、短期的な取り組みになることも多く、双方にとっても本質的な経営課題に向き合うことが難しくなります。

――チーム単位でパートナー企業に向き合うことで、協働プロにとっても学びや気付きが多くありそうですね。

浅井:その通りです。チームでの支援は私自身も学びが多く、自分の専門性とは異なる専門性を持ったメンバーとの協働は刺激も多いです。

普段はWebマーケティングを中心にした専門分野での支援が中心なので、他の協働プロたちの、経営や営業の視点からの提案を聞けることで自分自身の視野も広がっています。

取り組み先の1社「丸七製茶」さまの商品「CRAFT BREW TEA」シリーズ

ECの世界では、個人や地域の個性が大きな魅力になる

――地域企業や地方との取り組みの中で、浅井さんが大切にしている想いなどをお聞かせください。

浅井:様々な企業さまをご支援させていただく中で、地域に根ざした「ローカル」な企業や商品を活用する文脈ほどECとの相性は良いと確信しました。

前職のエムコミューン時代に、鹿児島で焼酎を売っていた酒屋さんをご支援させていただく機会がありました。地域へのお酒の配達が収益の柱だった酒屋さんでしたが、店主がご高齢となり、以前のような頻度や量での配達が難しくなっていました。

そこでECサイトの活用に思い切って舵をきられた店主と、二人三脚で販路の拡大に取り組ませて頂きました。Amazonや楽天などのショッピングモールの活用方法を貪欲に学ばれて、ネットでの売上を伸ばすことに成功。数年後には配達中心だった頃よりも年商を大きく伸ばすことができました。

商品の選定や説明など、その店主や鹿児島という地域の個性をうまく取り込んだことで成功した事例です。地域でのセミナーでもよくお話させていただくのですが、ECの世界では年齢や地方であることがハンデになるどころか、魅力になるのだと実感しています。

始めるときには学ぶぞ!という強い気持ちが必要かもしれませんが、一度ノウハウをしっかり体内化できれば、地域に根ざしてビジネスをしている事自体が、ECの世界ではとても大きな魅力に変えられます。

――そういった経験があったことが、いまの浅井さんの活動に繋がっているんですね。

浅井:ECサイトの運用については本当に、正しい情報を持っているかどうかで結果が変わってしまうことも多いんです。地域の魅力をどんどん発信していくためにも、地方の企業がそういったノウハウを得られる機会をどんどん作っていきたいと思っています。

そういった思いを叶える上でも、協働日本との取り組みにとても意義を感じています。

さらに、地域企業がECサイトをはじめとする様々なITをもっと活用すると、クリエイティブの需要が地域に生まれると思っています。デザインやマーケティングなど、その地域や企業をよく知る人が身近にいれば、企業も安心して仕事を任せることができるので。

クリエイティブやWebマーケの仕事は働く場所を選びませんから、地方でその土地の企業と一緒に仕事をしたいと思うクリエイターが増えて、地方から人が減っていくことを食い止めることに繋がれば良いなと思っています。

経営者視点での意思決定にも関われることが大きなやりがいに

――浅井さんが大切にしている想いがよく分かりました。現在、協働日本で複数のプロジェクトに関わりながらどんなことを感じていますか。

浅井:協働日本がお取り組みを進めている企業は、歴史ある老舗企業や、新しく事業を転換していこうとチャレンジしている企業などが多く、それだけに課題の整理や方向性を定める議論の難易度は高いですが、どこの企業も本音をぶつけてくださっていることで建設的な議論が出来ています。

企業側のやる気スイッチにも刺激されて、より高い熱量で向き合いたい!とおもって臨んでいます。

経営視点での方針を話し合う日もあれば、キャンペーン施策のひとつひとつのクリエイティブをブラッシュアップしていくような日もあります。全体を俯瞰しながら、多くの関係者とプロジェクトを進めています。経営者視点での意思決定にも関わらせていただくことも多く、協働日本の取り組みはどれも本当に刺激的です。

同じ想いや熱量を持った人々とともに働けることが大きな価値

――最後の質問です。これから協働日本はどうなっていくと思いますか?

浅井:まさに今、メタバースといった世界が注目されていることに現れているように、今後はより一層、個々人が場所や時間を問わない働き方を選択する時代になってきていると思います。その変化の中で、同じ想いや熱量を持った人々とともに働ける、繋がれるということは今後より価値を増していくように思います。

チームで地域企業の課題解決に伴走する協働日本は、そんな働き方の先駆けになっていくと思っています。

実際に活動していく中で得られたものは沢山あります。異業種の方との協働は自分の知識や経験を広げてくれますし、共に取り組む協働プロの皆さんの提案や分析もいつも刺激になっています。

パートナー企業の皆さんの事業をご支援させていただく中で、私自身もやれることが増えましたし、成長へのモチベーションが高まりました。まだまだやれることはたくさんありますね!

――インタビューへのご協力ありがとうございました。

浅井:ありがとうございます!協働日本の伴走型支援にご関心ある地域企業様だけじゃなく、協働プロとしてどんどん現場に赴き、自分を成長させたい方もぜひお声がけください。一緒に協働の取り組みを大きくしていきましょう!

浅井 南 Minami Asai

フリーランスマーケター

mcommune,LLC.にて、Webデザイナー・ディレクター・ECサービス事業部長を務めた後、フリーランスとして独立(わるだくみ)。

鹿児島県を拠点に、EC・Webサイト制作・支援を10年以上手掛ける。
楽天・Yahoo!ショッピングなどのモールはもちろん、自社EC・WordPress・インスタグラム等、数多くの実績を糧に、幅広く制作・支援を手掛ける。

現在、よろず支援拠点コーディネーター、鹿児島市ICT推進委員としても活動中。

専門領域
Webマーケティング、ネットショップ/EC運営支援・販売支援、ECコンサルティング、Webデザイン、SNS/PR/広告運用支援

人生のWHY
あらゆる人に、Webのチカラ・挑戦を。

浅井南氏も参画する、協働日本事業については こちら

NEWS:「LOCAL LETTER MEMBERSHIP」にて協働日本の取り組みをご紹介いただきました

「LOCAL LETTER MEMBERSHIP」にて協働日本の取り組みをご紹介いただきました

株式会社WHEREの運営する地域共創コミュニティ「LOCAL LETTER MEMBERSHIP」にて、株式会社協働日本についてご紹介いただきました。

“協働”が、地域を変える。協働日本が仕掛ける「副業・兼業人材マッチングサービス」とは | LOCAL LETTER

協働日本が大切にしている「協働」のプロセスや、実際の取り組み事例について取材いただきました。ぜひご覧ください。


ご紹介した事業について
協働日本事業

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イベント登壇のお知らせ
2022年7月13日に「LOCAL LETTER MEMBERSHIP」のオンラインイベントへ弊社代表の村松知幸が登壇いたします。
地域で今求められる、副業・兼業人材とは? | Peatix


株式会社協働日本は株式会社WHEREと業務提携し、同社が立ち上げた、“地域課題” や “社会課題” の解決に取り組む地域共創コミュニティ「LOCAL LETTER MEMBERSHIP」へパートナー企業として加盟しております。

2022年3月3日|【43団体加盟】SNSでは広く、社内だと狭すぎる。個の時代に“ちょうどいい”繋がりを実現するコミュニティ。|株式会社WHEREのプレスリリース

LOCAL LETTER MEMBERSHIP とは
「LOCAL LETTER MEMBERSHIP」は、暮らしている場所や個人、企業・行政が持っているスキルや経験に関わらず、地域や社会へ主体的に携わり、変えていく人たちの学びと出会いを提供する場所がつくりたい、という想いで立ち上げた地域共創コミュニティ。
LOCAL LETTER MEMBERSHIP

株式会社協働日本 協働日本事業 の詳細ついては こちら

NEWS:Youtubeチャンネル「HR-X」に協働日本代表 村松知幸 が出演いたしました

Youtubeチャンネル「HR-X」に協働日本代表 村松知幸 が出演。『協働をもって「日本」を熱くする!』を語りました。

弊社代表の村松知幸が、豊田圭一氏(株式会社スパイスアップ・ジャパン 代表取締役)がパーソナリティを務めるYoutubeチャンネル「HR-X」へゲスト出演いたしました。

協働日本立ち上げの想いや、現在のお取り組み事例、大切にしている「協働」のプロセスについて、代表の村松が豊田氏との対談の中でお伝えしております。


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地域企業様とのお取り組みの中で、協働日本が大切にしている「協働」という考え方を感じていただけるかと思います。
ぜひご視聴、よろしくお願いします。


【Youtubeチャンネル】HR-X トランスフォーメーション人材で組織を変革する
「人事」のHRと「トランスフォーメーション」のXを掛け合わせて「HR-X」と名付けた当チャンネルは、「トランスフォーメーション人材で組織を変革する」をスローガンに、人事とトランスフォーメーション(変革)というキーワードで様々な取り組みをしているゲストをお迎えしてお話を伺います。
【 HR-X 主催 】 株式会社スパイスアップ・ジャパン Facebookページ
【パーソナリティ】 豊田圭一(株式会社スパイスアップ・ジャパン 代表取締役)