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ウェブセミナー公開中:バリュエンスHD(株)の経営幹部が語る、経営人材育成に最適な越境経験とは?

協働日本が開催した、ウェブセミナーのアーカイブをお届けします。

2024年1月30日(火)に、『バリュエンスHD(株)の経営幹部が語る、経営人材育成に最適な越境経験とは?』と題し、独自で開発した企業の経営幹部向けの『越境チャレンジ-協働型人材育成プログラム-』を手掛ける株式会社協働日本CSOの藤村昌平氏が、経営人材育成に最適な越境経験について語りました。

バリュエンスホールディングス(株)の経営幹部の武田浩則氏をお招きし、具体的な事例として、石川県金沢の老舗次期経営者とのリアルな越境経験をご紹介いただきました。

また、バリュエンスホールディングス(株)の執行役員コーポレート本部長の大西剣之介さんを交え、経営人材育成の要諦と、『越境経験』の新たな選択肢についてディスカッションで深掘りし、理解を深めていきます。

益々変化が加速するVUCAな環境下で、企業の未来を担い、経営や事業を担える経営人材をどう育てるか?経営人材を生み出し続ける土壌や風土をどうつくるか?企業内で真剣に取り組んでいる方は多いと思います。

経営人材育成のヒントが詰まったウェブセミナーとなっております。
協働日本HPでは、セミナー全編を無料公開中です。ご興味ある方は是非、協働日本HPでご覧ください。

こんな方にオススメ!

  •  自社内で経営や事業を担える人材を育成したい経営者や事業部長
  •  越境学習に関心はあるが、既存のアプローチに課題感を感じている人事部長や人事担当者

セミナー本編はこちらからご視聴いただけます


登壇者

藤村 昌平

(株)協働日本  CSO
2004年ライオン(株)入社、R&D部門で新規技術開発、新規訴求開発、新ブランド開発を経て、2016年よりプロジェクトベースの新規事業創出業務に従事。 2018年にR&D内に新設されたイノベーションラボにて、新規事業の実現と人材創り・組織創りに注力。 2019年4月より新価値創造プログラム「NOIL」初代事務局長。 2020年1月より新設のビジネスインキュベーション部長。 2022年1月よりカルチャーラボを立ち上げ企業文化変革担当部長に就任。 現在はライオン(株)を退職し、(株)fucanを創業。 事業開発・人材開発支援や地方創生など、「事業を創る人を創る」ミッションを軸に複数のプロジェクトに携わる。
また、(株)協働日本には創業当初から参画し、2021年にCSOに就任。事業開発のプロジェクトマネジメントに加え、幹部人材育成、越境チャレンジの事業開発メンタリング等を担う。

武田 浩則

(株)米自動車 取締役兼社長室 室長
2014年(株)SOU(現 バリュエンスホールディングス(株))入社後、店頭営業、買取事業本部、営業企画部を経験し、2021年より買取事業本部副本部長として仕入事業全般の統括、事業、収益拡大に従事。また、2023年よりグループ化を行った(株)米自動車へ出向し、取締役兼社長室室長として事業活動全般の促進、拡大に従事。
2023年4月より『越境チャレンジ-協働型人材育成プログラム-』に参画し、明治8年創業の石川県金沢の伝統発酵食品老舗の四十萬谷本舗との協働プロジェクトを経験。

大西 剣之介

バリュエンスホールディングス(株) 執行役員 コーポレート本部長 人事部長
大学卒業後、デロイトトーマツコンサルティング㈱に入社。コンサルタントとして株式上場支援(2年)および人事コンサルティング業務(4年)に従事。2012年に日清食品㈱に転職し、人事制度の運用・改革、組織・人材開発、HRBP、中途採用など人事領域全般に幅広く関与。2020年にバリュエンスHD(株)に転職し、人事部長として人事部を統括する役割に従事。


関連 セミナー

『事業を創る人』育成の最適解」オンラインセミナー

独自で開発した企業の幹部人材や事業開発人材向けの『越境チャレンジ-協働型人材育成プログラム-』を手掛ける株式会社協働日本CSOの藤村昌平氏と、同プログラムでプロコーチを務め、越境人材の内省をサポートする久米澤咲季氏が登壇したウェビナーイベント「『事業を創る人』育成の最適解」(開催日:2023年6月8日)での講演から、「越境学習」のメリットや、越境学習を通じた人材育成についてご紹介します。

ご興味のある方は是非、こちらの動画もご視聴いただけますと幸いです。
『事業を創る人』育成の最適解 – YouTube

お問い合わせはこちら

  • 「越境チャレンジ」を導入希望の方
  • 個別面談希望の方

Emailでのお問い合わせ:ippo@kyodonippon.work
HPからのお問い合わせ:お問い合わせ・お申し込みはこちらから。

なにかご不明な点やご希望がございましたら、遠慮なくご連絡くださいませ。

文:郡司弘明

VOICE:芹沢 亜衣子氏 -協働を通じて見える新しい景色で、日々ワクワクする人を増やしたい。-

協働日本で活躍するプロフェッショナル達に事業に対する想いを聞くインタビュー企画、名付けて「VOICE」。
今回は、協働日本で「人と組織のマネジメント」のプロとして活躍し、コーチングサービスIPPO事業でもコーチとして多くの方のキャリアの伴走支援に携わる芹沢 亜衣子(せりざわ あいこ)氏にインタビューいたしました。

芹沢氏は監査法人系プロフェッショナルサービスファームにて、ヒューマンキャピタル(人事)部門のビジネスパートナー(HRBP)として、各部門のリーダーやメンバーと対話しながら人と組織の「ありたい姿」を形にしていく仕事をされています。

協働を通じて生まれた「組織」と「人」のそれぞれの変化と相乗効果、ご自身の気づきや学びを語っていただきました。

(取材・文=郡司弘明、山根好子)

人と組織の可能性を高める人事という仕事の面白さ

ーー本日はよろしくお願いいたします!まずは芹沢さんの普段のお仕事について教えてください。

芹沢 亜衣子氏(以下、芹沢):よろしくお願いします!現在はプロフェッショナルサービスファームの人事部にて、ビジネスパートナー(HRBP)として仕事をしています。

HRBPという肩書に馴染みがある方もまだ少ないかもしれません。私たちは企業の中で、各部門のリーダーと対話を重ねながら、人と組織の「ありたい姿」を形にしていく役割を担います。

どんな働き方がメンバーのパフォーマンスにつながり、組織全体の価値を最大化させるのかという人材戦略を考えることや、リーダーのメッセージをメンバーに届けるサポート、スキルアップに向けた育成施策、評価・報酬などの人事制度設計・運用まで、人と組織の成長に多方面から携わる仕事です。

ーーこれまでのキャリアでも、ずっと人事の仕事に携わっていらっしゃったのでしょうか。

芹沢:実は、新卒で入社した会社では元々営業志望でした。ですが、最初の配属はIT部門。そこで4年半勤めた後、ジョブローテーションで人事に配属されたのが人事としてのキャリアの始まりでした。

ちょうどその頃、世間的にも働き方改革、ダイバーシティなどが注目されるようになり、人事として人と組織を進化させるためにやるべきことが増えてきたタイミングでした。

人事としての専門性も高めつつ、プロジェクトをリードする役割を担ってきたのですが、「より現場に近いところで人事の仕事をしたい」と考えるようになりました。そこで先ほどご紹介した、「HRBP」という役割を知り、その仕事へチャレンジすべく転職し、今に至ります。

ーー芹沢さんが、元々人事志望ではなかったというのは意外でした。社会の変化も相まって、人事としての仕事に面白さを見出されたんですね。

芹沢:そうですね。人事だからこそ、会社の成長に貢献できることはあると感じていますし、そこに面白さも感じています。

ただ、人事の仕事へのこだわりというよりも、「人と組織の可能性を高めたい」ということに対する想いが強いので、今後もし人事でない肩書を担うことになっても、やはり「人と組織の可能性を高める」ということを自分の軸にして働いていきたいと思っています。

人事のプロとして貢献し、受発注の関係を超えて、共に学び合い成長したい

ーー続いて、協働日本での活動についてお聞きしたいと思います。まずは芹沢さんが協働プロとして協働日本に参画されたきっかけについて教えていただけますか?

芹沢:はい。前職時代からの知人である大西剣之介さん(バリュエンスホールディングス株式会社 執行役員 コーポレート本部長 人事部)からのお誘いがきっかけでした。

同じ人事のフィールドで活動しており、お互いに面白いことを思いついたらすぐに実行に移すタイプだったので、会社を越えて勉強会をしたり、研修を開催したりしていました。    

ちょうど私が現職に転職した頃、すでに協働日本で活動していた大西さんからの紹介で、協働プロにお誘いいただきました。

ーー人事として活躍されていた芹沢さんだからこそ、大西さんも協働日本の一員にと、お誘いされてんですね。誘われた時はいかがでしたか?

芹沢:協働日本の取り組みを知って、すごくありがたいお声掛けだと感じまして、ぜひ一緒に取り組みたいですとお答えしました。

正直にいうと、前職までは人事としての「プロ」である自覚や自信を強く持てていませんでした。ジョブローテーションの一環で人事という部署にいて、与えられたミッションに対して自分がどういう風に貢献するかという考え方で仕事に携わっていました。

転職してからは考え方が逆になって、自分から課題を見つけに行き、どういう風に組織を動かしたらよいか、関係者の意見を引き出して、行動していく、能動的な役割に変わったなという実感がありました。          

人事の「プロ」としての自分を自覚して、主体的に仕事に向き合うようになってからは、社内だけじゃなくて、社外の方、ひいては社会に何か貢献できないかと考えるようになっていました。ちょうど協働日本のような機会を探していたこともあり、とてもいいタイミングでした。

一方で、自分に務まるかな?というプレッシャーもあったのですが、大西さんから「芹沢さんは決まった答えや型がなくとも、動くことができる人だと思う。自分にできることをとにかくやってみる、というスタンスでやってみてほしい」と言っていただいたんです。

「それなら、自分でも学びながら、役に立てることをやっていこう」と思って、参画させていただきました。

特に「伴走支援」という言葉にはとても共感していて、受発注の関係性ではなく、みなさんとの対話を通して一緒に作り上げていく、ともに学びあう、というスタンスが他にはないあり方だと感じています。

週に1度のZoomミーティング。協働先のパートナー企業の皆さんと。

外部の目線が入ることで、脈々と受け継がれてきた強みを明らかにしていく

ーー芹沢さんは今、協働日本のどのようなプロジェクトに参画されているのでしょうか?

芹沢:今は、協働プロや協働サポーターとして地域のパートナー企業とのプロジェクトに参画しているほか、IPPOコーチとしても活動しています。

コーチングを学び、実践してきた経験を活かして、IPPOコーチとして個人の受講者や、協働日本のプログラムである越境チャレンジ、経営人材育成プログラム参加者へのコーチングを行っています。

ーー多面的に活動されているんですね!まずは協働プロとしてのお取り組みについて教えていただけますか?

芹沢:協働プロとしては株式会社オーリックさんのプロジェクトで、人事制度等の変革について取り組んでいます。オーリックさんは、創業者である会長が一代で事業を大きくされた会社ということもあり、M&Aなどを通じて急速に事業が拡大していく中で、人事制度は運用されているものの、グループ各社で統一されていない部分もあり、経営からのメッセージが通りづらくなっているように感じました。

ちょうど社長が代替わりされたタイミングでもあったので、会社として新しいフェーズに入るために一度しっかりと人事制度を整えよう、ということになり、そこへ協働プロとして、伴走支援をすべく参画しています。

このプロジェクトには、協働日本へお誘いくださった大西さんと一緒に入らせていただいていて、1週間に1度、人事を管轄する管理部門のメンバーを中心に、会長、社長、そして現場の統括をしている営業本部長にも時折入っていただきながら、ミーティングを重ねています。

ーーまさに人事のプロのチームですね!具体的にどのような議論を交わされているのか、協働先の変化なども含めてお聞きできますか?

芹沢:最初の頃は、どういう従業員になって欲しいか、まずは「ありたい姿」の議論を重ねていきました。重要なこととはいえ、知り合ったばかりの人から「御社のありたい姿を教えてください」なんて言われても、答えるのは容易ではないですよね。

本音で議論するためには、お互いに理解し合い、信頼関係を築いていくことも重要だとあらためて感じ、経営者との議論も進める傍らで、オーリックさんで働く従業員の声もヒアリングさせていただきました 。

組織の中においては、人事は少し遠い存在になりがちですよね。変なことを言ったら評価に差し障るかも、と思うと本音や不満が正直に言えないこともあります。

だからこそ私たちのような第三者がフラットな目線で「課題に感じていることを教えてください」と入って社員の声を引き出していき、人事のメンバーに届けることが重要だと考えていました。

従業員の声がヒントになって課題が浮き彫りになったり、実は会社のここを良いと思ってくれてたんだ、みたいな気づきがあったりと、議論がどんどん活発になっていきました。

地道な行動の1つ1つで信頼を得て、「ありたい姿」といった少し抽象的なテーマも遠慮なく議論できる関係性が出来たのではないかと思っています。

ーー一緒に手を動かしていく中で徐々に関係性が出来ていったんですね。

芹沢:そうですね。協働を通じて気付いたのですが、オーリックさんは、会長、社長が社員のことをすごく考えていらっしゃいます。社員が安心して働けるようにしたい、生活を守りたいという意識がすごく強い。

経営者から社員への愛情はオーリックさんの強みだなとあらためて感じました。こういった、脈々と受け継がれてきた強みと、一方で従業員が感じる不安・不満を、新たな人事制度やメッセージでどうカバーできるかを考えながらプロジェクトを進めています。

また、同じ組織内では遠慮して言えなかったことも、私たちとの対話を通じて「実はこれが気になっていた」「社員からも声をもらったことがある」など様々な気づきが出てきています。

自分たちの良さや、自分たちらしさというのは、実は外から見ないとわからなかったりします。私たちのような外部の人間が入ることによって、客観的に見た「自分たちの強み」に気づき始めると、「新しい制度を作りました」で終わらず、こういう思いで作ったんだ、ここが私たちらしさなんだ、という想いが制度や仕組みに反映されるようになります。その想いは、自然と社員への説明の仕方やコミュニケーションにもメッセージとして表れ、結果的に組織全体が徐々に変化していくように思います。

会社が大きくなると、どうしても経営陣から社員へのメッセージは薄れていきがちです。だからこそ、オーリックさんの強みである社員に対しての愛情や想いを制度にこめて、人事が自分たちの言葉で社員に伝えることができるようになればと思っています。

誤魔化さずに自分と向き合っていく時間──本音を引き出すコーチングの魅力

ーー続いてIPPOコーチとしての活動についても伺えますか?

芹沢:まず、コーチングの良いところとして、近しい人には恥ずかしくて言えない壁、不安、恐れ、嫉妬心、一歩踏み出せない何かなど、自分のアイデンティティと紐づくことをお話していただきやすい点があると思っています。

なぜ私はこう感じるのか?自分が大事にしている価値観は何か?などを引き出していくのが、私たちコーチの役割です。

IPPOのコーチングは基本的に、1ヶ月に1度実施していますが、1ヶ月と言うスパンの中でも、受講者の変化を感じています。

例えば、とある受講者の方とは、はじめに「3年後こういう自分でありたい、そのために1年後こうなっていたい」という目標を決めたのですが、次の月、改めて見返すと「この目標、なんだか違うね」となったことがありました。

最初に目標設定した時から、アクションを変えたり、日記をつけて内省するなど、自分と向き合う時間を増やすことで、ご自身に変化が生じて、見返した目標が本人にとって小さいかも、と感じるようになっていたんです。コーチングの中で目標の解像度も上がり、本人の意志で目標を修正しました。

毎月、小さなことから大きなことまで課題や気づきはたくさん出てきます。自分の中の嫌なところ気づき、その嫌な自分が仕事や人生にどんな影響を及ぼすのか?自分は手放したいのか、それとも受け入れたいのか。強制的に深く考えていくことにコーチングとしての価値や意味があるかもしれません。

忙しい人ほど、自分のために内省する時間を作れないことが多いですが、私はそれがとてももったいないと感じています。振り返って自分自身と向き合い、解像度を高めていくという作業をやるのとやらないのでは、向かう先が全く違ってくると、IPPOコーチを務める中で、あらためて感じています。

ーーなるほど。忙しい人ほど内省の時間が取れないという話がありましたが、越境チャレンジや経営人材育成プログラムのコーチングではいかがですか?

芹沢:こちらは、人材育成のプログラムと連動していて、振り返りのセッションとして私がコーチングに携わらせていただいています。やっていることは個人のコーチングと大きくは変わらないのですが、受講者の傾向としては、会社への貢献意識が高い一方で、ご自身の想いやキャリアに向き合う時間をしっかり取れなかった方が多くいらっしゃいます。

プログラムの中では学ぶことや刺激がとても多い一方で、自分のアクションは上手くいかないことに直面することがあります。どうして上手くいかないと感じているのか、そこに対して持っている不安や恐れ、どこに壁があるのかを一緒に話しながら方向性を探っています。

そして、見つけた壁に向き合うためにどんなアクションを取るか、1つだけでも絶対にこれはやろう、と決めて次の機会までに実施してもらう、ということを繰り返していきます。

最初に、「プログラムを受けてみてどうですか?」と聞くと、皆さん「すごく勉強になっています」と、「この場を上手く切り抜けよう」とされます(笑)

そこですかさず、「どんなところが学びになっていますか?」とか、プロジェクトの内容についても「これを元に何をどう変えていくのでしたっけ?」など深く聞いていくと、意外と言語化ができなかったりします。

学びがあったとその時は思っても、自分の中でちゃんと落とし込めていないと次のアクションに繋がらないので、すごく丁寧に掘り下げて、自分の言葉で表現できるようにしてもらっています。

皆さん優秀な方ばかりなので、やろうと思えば「上手くいっている風」にテクニカルに処理することができてしまう方がほとんどです。だからこそ「上手くいっている風」で終わらないように、自分のことを振り返り、嫌なこと、こんなところがだめだなと思っているところについて、向き合って解決していくことが私たち協働日本のコーチングの役割だと思っています。

何回かコーチングの時間を重ねていくと多くの方が、黙っていてもいい時間、考えるための時間を、コーチングの場でも取れるようになってきます。私から問いを投げかけた時に、「ああ、それは全く考えていなかったです」と返ってきて、黙って考える時間を作ることが意識的にできる。仕事の取引先などの間柄だと、会話を途切れさせずに頑張っていいこと言わなきゃと思うこともあると思うのですが、コーチングでは「上手く言う、上手くやる」必要はありません。本音の部分を引き出していくのが役割なので、対話の中で間ができるようになると、良い変化が生まれているなと思います。

気づきあい、高めあい、新たなものを生み出していくコミュニティの可能性

ーー協働日本でのさまざまな活動を通じて、今、芹沢さんが感じることや、今後実現したいことはありますか?

芹沢:そうですね。まずいろんなバックグラウンドを持った方との対話を通じて、自分の視野が大きく広がりました。伴走支援させていただいている私の方が勉強させてもらっていると感じることが多いです。

企業の個性や状況によって、人事や組織のマネジメントで定石とされていることが簡単には当てはまらなかったりする、いい意味での現場感や、良いものをすぐ反映・実行に移すスピード感は、ひとつの会社で人事として働いていては体験できないものだと思います。

協働日本には自分の経験では補えないものを持つ人たちがたくさんいらっしゃるので、そのネットワークの中にいられることも、私はすごくありがたいなと思っています。皆さんから刺激を受けることで、自分自身も自然と成長する選択肢をとっていると感じます。     ここにいること自体が成長につながっていますね。

また、地域のパートナー企業の方との協働を通じて、今までお互いに気づいていなかった「本来その企業が持っている素晴らしいもの」「それを活かしたこれからの可能性」を見つけられることにも、とてもやりがいを感じています。協働を通じて新たに見えた景色から、パートナーの皆さんが自分の存在意義を感じ、自信につなげていってもらえたらいいなと思います。

私は自分自身の人生のミッションとして、「日々ワクワクする人を一人でも増やしたい」を掲げています。仕事を通じて「人と組織の可能性を高めたい」という想いを持っているのもそのためです。協働プロとして、IPPOコーチとして活動することで、ワクワクして人生が豊かになっていく人を一人でも増やす、そんな未来を実現していきたいと思っています。

ーー本日はありがとうございました!最後に、協働日本が今後どうなっていくと思われるか、協働日本へのエールも込めてメッセージをお願いします。

芹沢:協働日本には、「可能性」が無限にあるなと感じています。私のように長年組織の中で経験を積んできた人が、協働プロとしての活動を通じて「自分は何に貢献できる人なのか?何をやっていきたいのか?」を問い、アウトプットを通じて様々な気づきを得る場になりますし、地域企業の方にとっても自社の強みを改めて実感し、いろんな可能性に気づく場でもあると思います。

協働日本自体が、「挑戦したい」「現状をもっと良くしたい」「拡大したい」というような、熱量の高い人同士をつなげているコミュニティにもなっていると感じています。これから更にお互いに刺激を受け、気づきあい、高めあい、新たなものを生み出していく組織になっていくのではないかと思います。

ーーインタビューへのご協力、ありがとうございました。

芹沢:ありがとうございました!今後ともよろしくお願いいたします。

芹沢 亜衣子 / Aiko Serizawa

大学卒業後、サントリーフーズ(株)※に入社。IT部門でシステム開発・導入に従事した後、人事部門にて、評価・ジョブローテーションの制度運用・労務対応に加え、ダイバーシティ推進・タレントマネジメントなど新たな施策の企画・運用をリード。2020年よりPwC Japan合同会社に転職し、HRBPとして要員管理・タレントマネジメント・人材開発・組織開発等、部門の戦略・特性にそった人事戦略全般の企画・実行を担う。

※現サントリー食品インターナショナル(株)

芹沢 亜衣子氏も参画する協働日本事業については こちら

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VOICE:協働日本 久米澤 咲季氏 -IPPOのコーチングは「大きな夢」へ皆んなで向かう、第一歩-

STORY:バリュエンスホールディングス執行役員 井元信樹氏 -限られた時間とリソースの中で事業戦略を組み立てたからこそ得られた学びと変化-


イベントレポート:「『事業を創る人』育成の最適解」オンラインセミナー

協働日本が開催したセミナーの一部を抜粋し、イベントレポート形式でお届けします。

益々変化が加速するVUCAな環境下で、企業の未来を担い、新たな事業を創る人材をいかに育てるか?事業を創る人材を生み出し続ける土壌や風土をどうつくるか?企業内で真剣に取り組んでいる方は多いと思います。

独自で開発した企業の幹部人材や事業開発人材向けの『越境チャレンジ-協働型人材育成プログラム-』を手掛ける株式会社協働日本CSOの藤村昌平氏と、同プログラムでプロコーチを務め、越境人材の内省をサポートする久米澤咲季氏が登壇したウェビナーイベント「『事業を創る人』育成の最適解」(開催日:2023年6月8日)での講演から、「越境学習」のメリットや、越境学習を通じた人材育成についてご紹介します。


セミナー本編はこちらからご視聴いただけます


越境学習の意義と、起こりがちな課題

──イントロダクション

藤村 昌平氏(以下、藤村):今日は「『事業を創る人』育成の最適解」ということで、我々の方で作っている越境チャレンジというプログラムをご紹介したいと思います。なぜこのプログラムを作ったのか、コーチを担当されている久米澤さんと、事業開発メンターを担当している私の二人で、越境チャレンジを通じてどのように『事業を創る人』を作っていくかという話に迫りたいと思います。よろしくお願いします。

久米澤 咲季氏(以下、久米澤):よろしくお願いします。

─越境体験の意味と、起こりがちな課題について

藤村:そもそも越境体験とは何か?というお話ですが、普段勤務している会社の職場を離れて、全く異なる環境に身を置くことが前提になっています。普段とは異なる環境で働き、取り組みをすることによって、新たな視点や学びを得ていくというのが「越境体験」です。

一般的には、他の企業やNPOに社員を出向させる、ワークショップやプロボノ活動、ワーケーションなどが「越境体験」の具体的な事例として挙げられます。

越境体験を体験する人たちは、いつもいる組織の外を知ることにより、これまで触れることがなかった考え方や働き方、世界を見ることで、様々な刺激を受けて大きく成長することができるメリットがあります。

藤村:その一方で、「越境体験」で起こりがちな課題もあります。

①元の組織に戻ったときに、違和感を感じてしまう

越境先と元の組織の文化が違いすぎて、いざ戻ってきても、越境者が「これでいいのだろうか」という感覚のずれや違和感を感じてしまうケースがよくあります。

②越境体験の方法によっては、経験値が溜まりにくい

研修のように型化されている越境体験の場合には、安心して参加できるというメリットはある一方で、なかなか自分事として捉えられず受動的になり、結局のところ「面白いプログラムで勉強になりました」という感想で終わってしまいがちです。実際に自分の事業に活かしていける実践的な経験が積めるかというと、少し疑問が残ります。

③上層部が越境を理解できておらず、越境体験による経験を組織の中で活かせない

経験値をしっかり貯めることができたケースにおいては、その活かし方も重要です。例えば、越境先での経験を通じて、確度の高い事業を素早く生み出す開発プロセスを学ぶことができたとします。しかし、元からある会社のプロセスをどのようにすれば適切なプロセスに変えられるのかというところまでを経験してきているわけではありません。そのような人に、会社のルールやプロセスを変えて、確度の高い事業を創れるようにして欲しいという要求は、少しずれていますよね。

また越境体験は、未来を担う若者に経験させようという傾向にもなりやすいですが、そもそも越境体験者は何を経験したのか、その変化を受けて組織は何をしなくてはならないのかという部分を、越境していない上層部が理解できていないとこういったギャップが生まれやすくなります。

④期間離脱することが難しい

越境体験はその性質上、長く行けば行くほど、様々な知見が得られますし成長もできます。一方で、長期離脱はできないという人たちが会社の中には多く存在していると思います。

特に役職者が長期不在という状況は、部下を十分にマネジメントできなくなってしまう懸念から容認できない組織があることは理解できます。そのため、長期離脱が必須になるような状況だと、なかなか上位レイヤーの社員が参加できないということも悩みの種になります。

このように、越境体験自体には大きな価値があるけれど、同時に起こりがちな課題も複数見込まれます。このいくつかの課題の一つでも解けたらという想いで、『越境チャレンジ』のプログラムを組んでいます。

──まずは上層部から越境体験に挑戦を。強い組織に変革するために必要な「場」づくりの秘訣

会社を、もっと早く・もっと大きく・もっと強くという考え方で変革していくために、会社という組織においては、事業を作って対価を産んで、ドライブしていく仕組みが体系化されているはずです。

その一連の活動を実現していく主体は、そこで働く人です。組織の成長のためには、人の成長が欠かせません。「自分はこうあるべきだ、これをやりたい」という意識を醸成して、その中で再現性を取得していく──この事業でできたことはこちらでもできる、という成功体験や経験値を会得した人を増やしていくというのが絶対的に大切なのです。

その手段の一つである越境体験の一環として、出向やワーケーション、副業解禁などを検討されることが多いと思いますが、これも闇雲に認めるわけにはいかないのが現状だと思います。ガバナンスだったり社内ルールだったり、本業への影響というものを加味した上で、プログラムとして導入しなくてはいけない。そもそも我が社にとってこれを解禁していくということは、どういう成長に繋がるのかを言語化していく必要があります。

つまり、経営層の立場からすると、社員に越境体験をさせる前に「どんな成長や効果があるのか」という組織にとっての明確なストーリーが欲しいけれど、実際には体験させてみないとストーリーを描けないというジレンマがあるのです。

そして、我々としては、できる限り越境体験は組織の上層部からやっていくべきだという想いがあります。企業や事業を変革できる人材を上層部から作っていかないと、その後に続く人たちはなかなか生まれませんし、先ほど挙げた課題の通り、越境体験で学んできたことが社内に還元されないという問題もあります。

正直、組織の中で「越境体験」を進めていく際、最初の1人目が越境から帰ってくると「訳がわからないことを言いはじめた」という印象にもなりがちなのは事実です。外部での経験から、自分たちの常識と全く違うことを言い始めるので、当然の反応ではあります。

越境体験者が2人、3人と増えると、全員が同じことをいうようになる。すると、これは越境チャレンジャーが言っていることは、自分たちの組織を前に進めるために正しいことかもしれないと理解が進んでくるのです。

このように、越境体験での学びをメジャーな意見にしていき、次のチャレンジャーを増やしていくためには、最初の1人目の学びを言語化し、組織としての変革のために意思決定していくことがとても重要です。これができないと、越境体験をした一人がただ成長しただけで終わりになってしまう。

したがって、最初の一人として若手に挑戦させるよりも、経営層が実際に体験して、次に続くチャレンジャーを応援し、増やしていくことがとても効果的と言えるわけです。

越境体験者が増え、塊になって、組織になっていくと、そこが「場」となり、こういうチャレンジをした人たちが中心になって新しい会社作りというものをやっていくようになり、新規事業開発や働き方改革などの具体的なテーマが生まれていきます。

まずは自分たちがやっていることがどうなのか、という比較軸を持たない限りは、事業の善し悪しはわかりません。とにかく越境を通じて多くの人材に経験を積ませ、事業の再現性を持たせる。そして彼らが今、所属している会社をどのように見るのかといったことを、越境体験をリトマス試験紙のように使っていただきながら、事業や組織を組み立て直していくということが、会社の成長のために求められているプロセスかなと思います。

──本業と並行して体験でき、経営的な視座を鍛える『越境チャレンジ』の特徴。

藤村:忙しく、時間がなくて現場から離れられない上層部の方々にこそ越境できる場所を作らない限り、これは本当に一時的なものになってしまうかもしれない。もしくは手を挙げて越境した経験を持ち帰ってくれた人たちが、不幸になってしまう未来を作ってしまうかもしれない。

そんな課題感から生まれたのが、現場から100%離れることなく長期的かつ継続的に越境体験に取り組めるプログラムである『越境チャレンジ』です。

越境先の企業と、事業メンター、キャリアコーチを組み合わせたこのプログラムに、越境者が所属している会社から社員を送り込んでもらう形になっています。

越境先は、経営改革を通じた越境人材の育成に深い理解がある地域企業です。企業からの越境者を自分自身の右腕に置いて、事業に参画してもらうことを通じて、自分が本当に右腕を育てていくためにはどのようなことをすべきなのか、それを学ぶ意欲が経営者側にも求められますし、密な協力が不可欠です。

地域企業への伴走支援を行っている協働日本事業を通じ、すでに複業人材との協働へ理解と意欲のある地域企業の方に、越境者の受入をしていただいています。

藤村:このプログラムでは私が事業メンターの役割を担っていますが、私自身も常日頃越境しながら、色んなところでチャレンジして、日々学習と修行の日々を送っています。こういった、「先に越境体験を経験している人」の存在も、メンタリングや悩みに沿ったアドバイスなどに良い影響があると考えています。

そして、久米澤さんをはじめとする協働日本コーチ陣のキャリアコーチングを通じて、越境者自身のキャリアについての考え方も手厚く支援していきます。自分がこの越境体験を通じて、自分の人生だったりキャリアだったりにどういうWILLを持つのか、本当は何をやりたいのかという本質をあぶり出していくと、先ほどから繰り返し触れている「再現性」に繋がっていくんです。

「私は『これ』をやるために越境先でこんな挑戦をしているし、元の所属企業の方でもやっていくんだ」という『軸』が決まることで、強い動機付けやメンタリングにも繋がり、どんどん再現性が上がっていくわけです。

そこへ、新鮮な発想を持った、複業人材が入ることで既存の枠にとらわれないディスカッションができる点もメリットと言えます。

この三角形の構図の中に越境者を入れていくという座組みにすることで、先ほど挙げたような課題が出てきにくく、越境者にとっても、越境者を出す企業にとっても良いループが回っていく設計になっています。

直近では、バリュエンスホールディングスの執行役員の井元さんが、奄美市で大島紬の生産販売を営まれている、はじめ商事さんのもとに越境し、東京でバリュエンスの仕事をこれまで通り行いながら、はじめ商事の経営陣の一人としてオンラインを中心に半年間活動した事例があります。

▷越境チャレンジ事例

STORY:バリュエンスホールディングス執行役員 井元信樹氏 -限られた時間とリソースの中で事業戦略を組み立てたからこそ得られた学びと変化-

Q&A

セミナー後半には、視聴者から寄せられた多くの質問にお答えいただきました。その一部をご紹介いたします。

Q1.越境者と越境先企業、メンター、それぞれの関わり方について教えてください

藤村:まずは、越境者と越境先企業の社長さんとの間で1つテーマを決めていただいています。やりたいけど手付けられてないとか、やっているのだけどなかなか進まないなど、経営課題や経営イシューと言われるものの中から、この課題を一緒に解いていこう、これを実現していこうということを話し合って作っていただき、実際にスタートしていくという形になります。

事業開発メンターである私は、その取り組みについて越境者との1on1のような形で第三者として客観的に話を聞いていくようにしています。なぜその課題設定をされたんですか、その課題が解けると、この企業はどのようになりますか?それに対して、どのようにステップを組んで、実際に今どこまでできていて、何ができていないからその課題が露出しているんですか?というように、細かく深掘りして聞いていきます。

その対話の中から新しいアイディアが生まれたり、課題に気づいたりと、次に向けた宿題が生まれます。そこでまた越境先に宿題を持ち帰って、受入先の経営者と話をしてもらう。

戦術・実行とフェーズが進んでいくと、越境者が元々持っていた繋がりであったり、これまでのキャリアの中で得た知見みたいなものが色濃く生かされていくようになります。越境先企業の経営者、越境者、そして事業メンターの間で、ディスカッションをぐるぐる回していき議論を深めていきます。

伴走するコーチの立場としては、久米澤さんはいかがですか?

藤村さんの事業開発メンターとしての時間と、私の担当するコーチングの時間は、対照的なんじゃないかなという風に思っています。コーチングさせていただく時間は、もう究極の自分時間にしていただきたいなという風に思っているんです。越境先で、事業であったり周りの人であったりと色んな方向にベクトルを向けて活動すると思うのですが、1ヶ月に1回1時間、コーチングの時間を使ってベクトルを自分に戻していただいています。

初期の頃は、「そもそも何のためにこれをやるのか」といったように、目的が自分事化されてるかという事を確かめ、言語化していきます。その軸ができた先で本当にそれを実現できてるか、新たに出てきた価値観や思い、感情はなにか、対話してアクセスするような時間をとっています。

越境チャレンジでは、事業開発の視点の伴走者とコーチングの伴走者がいるので、両輪でサイクルを回していく形が、とても贅沢な学習プログラムだなと思っています。

Q2.越境者の変化と成長について教えてください

藤村:「なぜ今これをやるのか」について、事業開発の視点と、越境者個人としての視点の両面からサンドイッチのように、半年間もの間、しつこく話を聞いていくわけですよね。越境先の経営者の方、僕、そして久米澤さんに対し、普段から3回も言語化しなくてはいけない。そうするとさすがに、自分が何のためにこれをやっているか、徐々に腹落ちしていきます。越境中はこれがずっと繰り返されるので、元の企業に戻った時に「あのプロジェクトで何をしているの」と聞かれても、しっかりと言語化できるように癖づけられます。自分の意思で自分のやり方で相手と合意したことを、自分の言葉で語る。ということができるようになってくることが、やはり再現性に繋がっていくと考えています。

やっぱり、学びと行動を高速で回していくと、半年間の中でいろんなことが起きると思います。もちろん何かうまくいかないことや、事業の外部要因が何か邪魔しているとか、いろんな問題もたくさん起きる。

でもそういうときに何を変えられるかというと、一番はじめに変えられるのは、自分自身だと思います。だからやっぱりそこに向き合い、あなたは何を変えられるか、明日何ができるかを一緒に考えていくんです。すると、まず意識が変わって、次に行動が変わる。これを続けていくと、藤村さんのおっしゃる「再現性」にも近いかもしれないですが、「普遍化」されていくんですよね。こういうプロセスを半年、1年とやっていくと、終わった時にはやっぱりマインドも行動も成長しているし、事業に対するコミットメントや自分の役割など、視座が大きく変わっていると思います。

藤村:普段から経営に関わっている方であっても、越境体験を通じてもう1度経営の視座を学び直せるというところは大きな変化でもありますよね。私もメンターとしてご一緒させていただく中で、そういった変化がすごく面白いなと思いますし、それを見て私自身も再度学習させてもらっている感じがあります。やっぱり登場人物全員が学び合ってるっていうのがすごく面白いところですね。我々は決して先生じゃないから、答えをわかっていて、こうやりなさい、これがいいんだよって言ってるわけではないんです。私も一緒に悩むし、一緒に寄り添います。経営者の方々も悩んでて、本当の悩みや生々しい課題を出してきてくださるんです。皆でこれをどうする?という話になっていく。行動と学習を回していくことで、どんどん自分事化していくんですね。

久米澤:人生、いろんな場面において、自分で決めるっていうことは、自分に向き合わなきゃいけないってことだと思うんですよね。自分はどういう人間で何を大事にしてるのかとか、何のために仕事してるのかとか、そういうことをコーチングの中でかなり扱っていくんです。

「自分の軸」ができることで、自分で決められるようになる。自分がこうしたいからこの事業をやる、自分で決めたら頑張るっていう、そういう意思決定のサイクルにつながるという意味でも、まず「自分の軸」を明確にすることが、大きな成長につながると私は思っています。

Q3. 事業を作る人にはどんな能力や経験が必要ですか

事業を作る人に必要なことは、まずは経験かなと思います。どうやったら「事業開発が上手くなるか」というと、「事業開発をした経験」を2回・3回と繰り返していくのが一番です。

例えば「野球が上手くなるために、まずはサッカーやって、それからラグビーをしてください」とはならないですよね。ボールを投げたり、バットを振ったりということから始めるはずです。なので、まずは挑戦させることにつきます。

また、自分が事業を作らせる立場であるならば、先ほどのように経験を積んだ人たちをいかに沢山、傍に置けるか、集められるかということも重要です。そういった観点で、勇気を持って挑戦させることだったり、失敗するのを覚悟して、最後はフォローしてあげるつもりでやらせてみるみたいなことが、大事だと思いますね。

久米澤:コーチングの視点から見ても大事なポイントは同じだなと思います。私も色んな方に伴走させていただいているんですが、行動する人は、成長も早い。事業も同じで、試行錯誤できる人が強いと思います。

そして、自分を変えられる人っていうのはやっぱりそこに到達するのが早いなっていうのは実感値としてすごく感じます。失敗に対する恐れなど、色んなものを乗り越えて行動できることが、新規事業においても大切ではないかと思います。

「越境体験」を考える皆様へのメッセージ

久米澤:越境チャレンジを通じて、越境者の方はご自身の本質的なところに向き合うことができると思っています。これを会社として導入するか、特に人事の方はまだ悩んでいらっしゃる方も多いと思いますが、今日のセミナーに参加していただいたことも初めの一歩だと思うので、ご自身も勇気を持って一度始めてみていただきたいと思っています。一度始めれば、波紋のようにどんどん広がっていき、それが人を変え、組織を変えて社会を変えていくことに繋がっていくと私は信じています。そういう輪がこの機会を通じて広がったら嬉しいなと思っていますので、ぜひ越境チャレンジでまた皆さんにお会いできたら、嬉しいです。

藤村:越境チャレンジを通じて得られる成果は、ある事業が前に進むとか、会社の中での役割が明確になっていくということだけではありません。

一旦今の環境から離れてみると、客観的に会社のことを見られるようになって、「こっちに比べてこうだ」と言えるようになりますよね。自分のことも客観的に見えるようになる。

「自分は何のためにこれをやっていて、何故ここにいるのか」「こういうことにイラッとするし、こういうことにわくわくするし、こういうことやってみたい、こういう人と働いてみたい、そんな自分のことが好きなんだ」みたいに、自己認識を高めていくということにもつながると思います。

そういう人たちが組織の中に増えて、固まることで会社は変わっていきます。たった1人が革命家みたいに旗降っていたとしても会社は変わらない。できる限り、駆動力のある人が多くいる組織を作るために、やっぱり1回自分たちの組織のことを客観的に見れるような人たちを作っていく必要があります。

自分を客観的に見るという視座を持つために、一歩外に出てみることが効果的だと思います。自分と出会いなおして、自分の可能性を再度実感して、仲間を巻き込んでいく。気軽に、そんな旅の一歩を踏み出してみませんか。


本イベントの全編を協働日本公式YouTubeにて公開しています。
ご興味のある方は是非、本イベントレポートとあわせて動画もご視聴いただけますと幸いです。
『事業を創る人』育成の最適解 – YouTube


編集後記

今回は、「越境体験」をテーマに、多様な視点からお話をいただきました。

『越境チャレンジ』という、協働日本の事業の内容や、「事業開発」という視点だけに留まらず、そもそも人はどういうときに、成長するのか、変わっていくのか、そんな興味深いお話が詰まっていた2時間でした。

人が変わることで組織が変わり、会社が変わり、社会が変わる──協働日本から、そんな輪を広げていきたいと思います。

ぜひ皆さんも、「変わる」一歩として、『越境チャレンジ』の導入を検討してみませんか。

お問い合わせ・お申し込みはこちらから。

レポート取材・文:郡司弘明・山根好子

NEWS:【6/8(木)19:00~】オンラインセミナー開催のお知らせ 『事業を創る人』育成の最適解

オンラインセミナー開催のお知らせ 『事業を創る人』育成の最適解

この度、「『事業を創る人』育成の最適解」と題したオンラインセミナーを開催いたします。

お申し込みはこちらから
【無料/オンラインセミナー】『事業を創る人』育成の最適解

益々変化が加速するVUCAな環境下で、企業の未来を担い、新たな事業を創る人材をいかに育てるか?事業を創る人材を生み出し続ける土壌や風土をどうつくるか?企業内で真剣に取り組んでいる方は多いと思います。

今回のセミナーでは、独自で開発した企業の幹部人材や事業開発人材向けの『越境チャレンジ-協働型人材育成プログラム-』を手掛ける株式会社協働日本CSOの藤村昌平さんと、同プログラムでプロコーチを務め、越境人材の内省をサポートする久米澤咲季さんのお二人に、『事業を創れる人』育成の最適解、をテーマに対談いただきます。

皆様のご参加を心よりお待ちしております。


セミナー概要

2023年6月8日 (木) 19:00 – 20:30 セミナー構成
1. イントロダクション
2. 事業を創る人をどう育てるか?
3. 『越境チャレンジ-協働型人材育成プログラム-』の取組み紹介
4.対談
5. Q&A、アンケートなどのご案内

登壇者:
藤村 昌平 ライオン(株)企業文化変革担当部長/(株)協働日本  CSO
久米澤 咲季 (株)協働日本  IPPOキャリアコーチ


登壇者

藤村 昌平

ライオン(株)企業文化変革担当部長/(株)協働日本  CSO
大学院卒業後、ライオン(株) に入社。R&D部門で新規技術開発、新製品開発、新ブランド開発を経て、新規事業創出業務に従事。2018年に新規事業開発組織「イノベーションラボ」の設立、2019年に新価値創造プログラ「NOIL」立ち上げを行う。2020年より新設のビジネスインキュベーション部長に就任、2022年1月より現職。カルチャーラボを立ち上げ企業文化変革に挑戦中。

久米澤 咲季

(株)協働日本  IPPOキャリアコーチ
上智大学大学院 総合人間科学研究科 心理学専攻 大学卒業後、法律事務所での勤務を経て渡米し、大学院にて国際開発学修士号取得。帰国後、国際協力機構(JICA)にてインドネシアのインフラ開発を3年間担当。2015年NPO法人クロスフィールズ加入、人材育成×社会課題解決を目指すプログラムの企画実施を担当。2018年~2022年は事業統括として経営やチームマネジメントに従事。米国CTI認定プロフェショナルコーチ(CPCC)としてコーチング業も行う。現在は、大学院にて臨床心理学を勉強中。


本ウェビナーはこんな方にオススメ!

  • 自社内で事業を創れる人材を増やしたい、新たな事業を生み出せる土壌や環境を構築したい経営者や事業部長
  • 越境学習に関心はあるが、既存のアプローチに課題感を感じている人事部長や人事担当者越境学習に関心はあるが、既存のアプローチに課題感を感じている経営者、人事部長、事業部長


『越境チャレンジ-協働型人材育成プログラム-』について具体的な取り組み事例を通じて深く理解することができます!

『越境チャレンジ-協働型人材育成プログラム-』の特徴

  • 難易度の高い地域企業の経営課題に直面することで、正解がない中で道筋を描く力が身につく。
  • 地域企業の経営者の視野、視座、想いに触れて、本気で向き合うことで当事者意識が磨かれる。
  • 第一線のプロフェッショナルの視点を学ぶことで、実践的なスキル・経験が得られる。
  • 定期的な振り返りの機会から、個人の変化や成長、本業へ還元できる学びを実感・言語化できる。

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【無料/オンラインセミナー】『事業を創る人』育成の最適解

越境チャレンジについては こちら から


お問い合わせ・連絡先
ippo@kyodonippon.work

STORY:バリュエンスホールディングス執行役員 井元信樹氏 -限られた時間とリソースの中で事業戦略を組み立てたからこそ得られた学びと変化-

協働日本で生まれた協働事例をご紹介する記事コラム「STORY」。

今回は、協働日本が(株)スパイスアップ・ジャパンと共同でご提供している、協働型人材育成プログラム『越境チャレンジ』の参加者、井元信樹さんにインタビューをさせていただきました。

複雑で急速に変化するビジネス環境において、リーダー人材には、異なる環境でビジネスを運営し、問題を解決する「越境経験」がますます重要になっています。

一方で、既存の越境学習のプログラムには、長期にわたって対象社員を現場から出向させる必要がある等、人事部にとって導入しづらいなどの課題が聞かれます。

そこで協働日本は、”グローバル人材育成・海外研修”に実績のある(株)スパイスアップ・ジャパンと共に、参加者が本業に取り組みながらオンラインで参加できる『越境チャレンジ-協働型人材育成プログラム-』を開発し、地域企業経営者との協働の機会をご提供しています。

今回はそんな『越境チャレンジ』から生まれた協働の現場から、第一号プロジェクトに参加しているバリュエンスホールディングス(株)事業戦略本部 執行役員・事業戦略本部長の井元信樹さんをお招きし、どのようにプロジェクトを推進しているのか、インタビューを通じてお話を伺っていきます。

奄美大島の有屋集落で8代続く大島紬の織元である、有限会社はじめ商事との協働プロジェクトを2022年9月から推進している井元さん。インタビューでは、越境チャレンジへ挑戦することになったきっかけや、そこで生まれたプロジェクトの成果、ご自身が感じている変化や成長についてお話しいただきました。

(取材・文=郡司弘明)

モノに込められたストーリーに寄り添ってきた

ーー本日はよろしくお願いします!今日は、進行中のプロジェクトについてだけでなく、井元さんがなぜ越境チャレンジに取り組もうと考えたのかなど、お取り組みのきっかけになったエピソードや、ご自身の変化などをお伺いできればと考えております。

井元 信樹氏(以下、井元):はい、あらためて本日はよろしくお願いします

ーーまずは井元さんご自身についてお聞きしたく、自己紹介をお願いします。

井元:バリュエンスの井元と申します。今回、越境チャレンジに参加して、本当に貴重な経験をさせていただいたので本日はそんなお話ができればと思っています。

私自身、越境チャレンジの中で、自分のコンフォートゾーンを飛び出せたことが大きな学びや変化につながったと感じていますので、そのためにまずは弊社で普段どんな仕事をしているか、ということをお話しさせていただきますね。

弊社バリュエンスは、「なんぼや」という屋号でブランド品や貴金属を買い取るといった事業を全国展開しています。富裕層の方などから買い取ったブランド品を、オンラインオークションを通じてBtoBで事業者に向けて販売をしています。今は特にグローバルにも力を入れていて、海外にも積極的に販売しています。ありがたいことにブランド品の買取額に関しては、日本一仕入れている会社として業界でご認識いただいています。

そのように、ブランド品買い取りがメイン事業ではあるものの、最近では事業の多角化を進めていまして、様々なスポーツのアスリートと協業して、ユニフォームやクラブチームのグッズ等をオークションを通してファンに届けるプラットフォームビジネスの運用も進めています。

そのほか、プロダンスリーグでのチーム経営にも最近では取り組んでおり、チームの立ち上げも一から行うなど、スポーツ文脈での事業展開も広がりつつあります。

ーー幅広く事業を展開されているのですね。事業戦略本部長として活躍されている井元さんのこれまでのバリュエンスでの歩みについても、よろしければ教えてください

井元:2012年2月に(株)SOU(現:バリュエンスジャパン)に中途入社しました。2011年12月28日にバリュエンスが設立されたので、比較的初期のメンバーと言えます。

それまではBARなどの飲食店で働いていました。人と接することは以前から好きでしたし、ブランド品などにも興味があったので、当時のブランド買取担当という仕事は面白さを感じていましたし、やりがいもありましたね。

ーーどんなところに面白さや、やりがいを感じていたのですか?

井元:買い取り担当として重要なことのひとつに、いかにリピーターを生み出せるか、というものがあります。そのためには買い取りに来られるお客様のニーズを捉えて、最初の買い取り査定でしっかりと納得感を持っていただき、リピーターとして何度も足を運んでいただくことが重要になります。

商品のトレンドを勉強することも非常に重要ですが、私が大切にしていたのは、モノに込められたストーリーにちゃんと寄り添うということ。

ブランド品を売りに来られるお客様にとって、持ち込まれるものにはそれぞれストーリーがあります。初任給で買った時計だったり、贈り物でもらった指輪だったり。そういったストーリーに寄り添うことで、お客様から「あの兄ちゃんだったら信用できる!」と思ってもらうことが重要なんですね。

モノに込められた背景に目を向ける姿勢というのは、今回のはじめ商事さんとの取り組みでも大切にしている視点ですし、バリュエンスでもそういった姿勢で仕事に取り組んだからこそ成果にも繋がって、マネージャーとして色々な仕事を任せてもらえるようになったと思っています。

「奄美大島の持続可能な未来をつくる」を合言葉に

ーーそんな井元さんが、「越境チャレンジ」を通じて地域企業との協働に取り組もうと考えたきっかけを教えてください。

井元:会社がより大きく成長していくために、役員クラスも含めて人材育成を強化していく必要性を感じていました。

そんな中で、越境チャレンジの話をお聞きし、普段接していない異業種で活躍されている経営者とのコミュニケーション機会であったり、まして外部の経営者の方と一緒に事業に取り組む経験というのは、弊社の役員にとっても絶対プラスとなる研修プログラムだと思いました。

自分自身もバリュエンスで10年以上仕事をしてきた中で、このタイミングでぜひ新しい経験を積んでみたいと思い、その役員でもある自分がまず最初にやらせて欲しいと手を挙げました。

ーーそうして始まった「越境チャレンジ」ですが、その第一印象をお聞かせください。

井元:協働先の企業として、鹿児島県の奄美大島にある「はじめ商事」という会社をご紹介いただきました。はじめ商事代表の元さんとじっくり話をするところからスタートし、色々なことを教えていただきました。

はじめ商事は、奄美大島で大島紬という日本の伝統技術を受け継ぎ、とても素晴らしい製品を作り続けています。この大島紬が現在、職人の高齢化や担い手の不足、若者の着物離れも相まって、生産量の減少が続いているのだと知りました。

元さんは、業界自体が衰退していってしまうことや、大島紬の技術を後世にどうやって受け継いでいくのかということについて強く危機感を持っていらっしゃって、これまでのように着物を作るだけではなく、新しいことにもどんどんチャレンジしていきたいと話されていました。これは、チャレンジしがいのある難しいテーマだなと思いましたね.

ーー「越境チャレンジ」として取り組んだプロジェクトはどんなものだったのですか?

井元:プロジェクトのメインテーマは元さんが取り組む新しい事業を伴走支援することでした。

元さんは近年、伝統的な大島紬の製造だけでなく、新しい事業として大島紬を作る工程の中にある「布を織る」という技術を活かした、「奄美布」という新しい商品作りに取り組んでいました。

もともと古くなった大島紬を織り直す技術だったそうですが、それを大島紬以外の着物にも広げたり、ビニールのような素材でも織れるようにしたり。今まさにトレンドでもある、地球環境に配慮したサステナブルなものづくりにつながる技術だと思いました。

元さんと、この越境チャレンジという機会を活かして、自分の持っている知識や経験を活かして、伝統的な大島紬の販路拡大だけでなく、新たな「奄美布」というブランドもどうやって拡大していこうか色々な議論を重ねました。

ーープロジェクトの向かうべき方向性やミッションなどは、そういった議論の中で固まっていったのでしょうか?

井元:議論の中で、元さんは何度も奄美大島という島自体への強い想いを語ってくださいました。奄美大島は大島紬で栄えてきた島という経緯もあり、大島紬は奄美の歴史そのものでもあると。

昔は大勢いた織師も、産業の衰退とともに大きく減ってきており、技術継承も危機的状況です。

だからこそ、奄美布のような新たな需要をまた掘り起こしていくことが非常に大切で、奄美ならではの技術が注目されることで、島自体を盛り上げていきたいし、それによって伝統技術を守っていきたい。

僕らのミッションとしては、そんな「奄美大島の持続可能な未来をつくる」ということを合言葉にしてやっていきましょうと、議論を通じて方向性が固まりました。

監督兼選手状態で「戦略」も「実行」も

ーー普段バリュエンスで取り組んでいる業務とは異なる業界・商品の事業戦略を考える、まさに「越境」体験ですね。

井元:自分の知らない商品、体験したことのない業界ですから、一から学ぶ必要もありますし、なにより取り組み先の、はじめ商事の元さんあってのことですから、普段やっている仕事の進め方とは全く違います。だからこそ、新しい刺激をたくさん頂いています。

ーー実際に越境チャレンジが始まって、どんな学びや気づきを得ましたか?

井元:普段バリュエンスではありがたいことに、会社の看板はもちろん、メンバーや事業資金など、様々なリソースを活用して事業をさせていただいています。だからこそ求められる成果も大きいのですが、分業体制で仕事を進めることができる。

一方で今回、ここまでリソースが限定的な環境でビジネスを考えたのははじめてでした。

ーーリソースが限定的とは?

井元:スポーツに例えるなら、監督兼選手状態です(笑)

バリュエンスでの仕事では普段、監督に近いポジションで事業全体を統括、指揮することが仕事柄多かったのですが、今回のプログラムはとにかく自分も元さんと一緒に手を動かしました。

実行のアイディアが湧いても、それを実現するのは自分。限られた時間や資金の中で、優先度をつけて取り組まないと、何も実現できない。戦略を考えながら、同時に手を動かす大変さを痛感しました。

そしていちばん大切なことはなにより、元さんのマインドをどうやって高めていくのかということ。基本は二人だけで進めているプロジェクトですし、顔を合わせてのミーティングは週に一回。 お互いそれぞれ、一週間の間に自走できるかが大事になってきます。だからこそ、元さんの事業をただサポートするだけじゃなくて、元さんに「やらなくちゃ」だったり、「やりたい!」と以下に思ってもらえるかが大事。

ーーまさに「伴走支援」といった感じですね。実際のお打ち合わせはどんな風に進めていったのでしょうか?

井元:事業の主役ははじめ商事の元さんですが、プロジェクトメンバーは二人しかいないわけですから、一緒に伴走しないと前に進められません。戦略も実行も、自分たちでやらなくちゃいけません。

打ち合わせは毎週1時間、オンラインで行っています。最初に戦略を考えていた頃は特に、時間がいくらあっても足りませんでした。バリュエンスの仕事も忙しかったのですが、例えば、移動中の飛行機の中などの時間もうまく使いながら、仕事と並行して越境チャレンジに取り組みました。

戦略が固まりだして、登るべき山の道順が見えてきてからは、週次の1on1で戦術を作り込んでいきました。元さんへどんどんヒアリングして、インタビューして、情報をエクセルに落とし込んでいきました。毎週、質問だらけで元さんは大変だったかもしれません(笑) おかげで早い段階で、事業の課題や、利益構造が把握できました。

なにより元さんも、この一時間を濃いものにしようという意識で望んでくださるので、とてもやりがいがありました。私も毎回アジェンダを用意していき、取り組んでおいてほしい宿題があれば、事前にリクエストしておくので、1時間でどんどん意思決定をしていく。

普段、細かなやりとりはメッセンジャーでも交わしていましたが、お互いに毎週のこの1時間をとにかく大切にしようという意識を持てていたことが良かったと思います。

ーー取り組みが始まってすぐに、奄美大島の現地を訪れたとか。

井元:現地に行って丸2日間、一緒に行動していて、じっくりと元さんと会話でき、先程お伝えしたような想いや、事業の課題を知れたのが本当に大きかったです。

実際に、大島紬の織りや染めを体験させていただき、取り扱う商材の理解を深めることもできました。

ーー実際に現地を訪れて、どんなことを感じましたか?

井元:現地に行ってまず感じたのは、とにかく手間がかかる!ということ。

もちろんその分、良いものではあるし、伝統的な技術の素晴らしさも詰まっています。ただそれでも、こんなに手間のかかる商品を相手にしているのか、と思いました。

これは低粗利でやると苦しくなってしまうなと、実感しました。奄美大島の伝統を後世に繋いでいくためにも、しっかりと価値を言語化し、金額としての価値も高めてブランド化していかなくてはと思いました。

現地に行ったことで、私がバリュエンスの仕事の中で多く取り扱ってきた高級ブランド、例えば、ヴィトンやエルメスのように生地へのこだわりや伝統を言語化し、ブランドとしてしっかりと語れる、ストーリーのある商品として届けていくという方針が見えてきました。

私のこれまでの経験と、奄美大島での体験が越境チャレンジで結びついた瞬間でした。

本業での知識や経験が越境先で、新しいアイディアに繋がることも

ーー具体的にどんなアクションを行っていったのか教えてください。

井元:着物としての需要が先細りしている中で、織物として問屋さんに卸す以外に、新たな「売る機会」を作っていかなくてはいけないということで、新たな販路を模索していきました。

その中で、私の経験や知識が活かせそうな販路のひとつとして、プロスポーツとのコラボレーションにもトライしました。具体的には、先程ご紹介した「奄美布」の技術を使って、バスケなどのプロスポーツチームの選手ユニフォームや、タペストリーなどを使ったバッグなどのグッズ販売です。

ファンの心理としては、大好きな選手やお気に入りのチームのグッズが、織り直されることによって普段から持ち運べるものに変わるのですから、ぜひ手に入れてみたいですよね。

バリュエンスで取り組んでいるHATTRICK(ハットトリック)という、スポーツ団体やアスリート、アーティストから公式に依頼されたアイテムに特別な想いを込めてお届けするオークションサービスでの経験を活かすことができました。

スポーツチームのグッズに込められたストーリーと、奄美布というプロダクトに込められたストーリーの両方によって生み出されたものには、唯一無二な価値が生まれます。ヒアリングやテスト販売を通じて、奄美布の可能性や需要を確認することが出来ました。

ーーいくつか新製品の開発にもチャレンジしたと伺いました。

井元:バリュエンスでも取り扱う、ヴィトンのような高級ブランドでも、最近では電子マネーの普及もあって、実は財布以外の小物のラインナップが充実してきています。

はじめ商事さんでは、財布やコインケースがよく売れる主力の商品なのですが、そのトレンドも変化していくかもしれないという仮説を立てました。例えば、スマホを入れるサコッシュやPCケースなど、今後は何が売れそうか、一緒にトレンドを調査しながら商品開発を進めました。

ーー直近では、どんなことに取り組んでいますか?

井元:今は目下、ECサイトの立ち上げに取り組んでいます。

はじめ商事さんの大島紬や奄美布の価値を感じていただいた方が、また別な商品を手に取りたいと思った時に、これまでは買える場所が限定的でした。これだけ良いものをひとつひとつ作っているのに、買える場所がないというのはもったいない。

様々な販路を通じてはじめ商事のファンを獲得していきつつ、買いたいと思った方がいつでもアクセスできる環境も用意しておくことが大切だと考え、新たにECサイトを立ち上げることにしました。

これまでは店頭で商品を買ってくださるお客様が中心だったので、顧客データの管理が進んでいませんでしたが、今回のECサイト立ち上げを機に、データをしっかりと取得、活用していけるような体制も整えつつあります。

限られた時間でも本気で向き合えば、学びや変化は必ず得られる

ーーこういった越境体験、越境チャレンジを周囲の方にも勧めたいと思いますか?

井元:そうですね。少なくとも弊社の部門長たちには、一度経験してもらいたいと思いましたね。

先程お伝えしたように、監督としてビジネスを考える側が長くなると、どうしてもコンフォートゾーンの中で仕事をしてしまいがちです。

選手全員が揃っている中でビジネスをするだけでなく、限られたリソースを駆使して、アイディアと戦術を練り上げて戦う経験は、とてもいい刺激になると思いました。 あとは、「他の人に動いてもらうようにする」という経験。上司部下という指示系統で「人を動かす」のではなく、相手の気持ちを汲み取って動いてもらう。今回の元さんのように、自分以外の意思決定者の気持ちに伴走して、成果に結びつけていくというコミュニケーションにも学びがありました。

ーー最後に、越境体験に関心を持った方へのメッセージをいただいてもよろしいでしょうか?。

井元:元さんと出会って、元さんの「奄美大島をなんとかしたい」「大島紬の伝統を受け継いでいかなくては」という強い思いに触れたことで、ビジネスって本来は社会貢献っていうものが中心になるのだなとあらためて再認識することができました。

そういった熱い気持ちを思い出させてくれただけじゃなく、マネージャーとしての気づきや学びをたくさん得ることができました。

自分の仕事の価値や、積み重ねてきた自分のキャリアを見直すきっかけにもなります。週に一回とはいえ、自分自身がその一回に本気で向き合うことができれば、学びや変化は得られると思います。まずは、行動してみることをおすすめします。

ーー本日はありがとうございました

井元:ありがとうございました。

井元 信樹 Nobuki Imoto

バリュエンスホールディングス(株)事業戦略本部 執行役員・事業戦略本部長

2012年(株)SOU(現:バリュエンスジャパン)に入社、2021年より現職、オークション事業責任者、海外事業責任者、スポーツ事業責任者を務める。

2022年9月より『越境チャレンジ-協働型人材育成プログラム-』に参画し、奄美大島の有屋集落で8代続く大島紬の織元である有限会社 はじめ商事との協働プロジェクトが現在進行している。

協働日本事業については こちら

本プロジェクトに参画する協働プロの過去インタビューはこちら


VOICE:協働日本 枦木優希氏 -本質的な「価値」を言語化し、歴史ある老舗企業の未来に貢献していく –

VOICE:協働日本CSO 藤村昌平氏 -「事業づくり」と「人づくり」の両輪-
STORY:奄美大島での伝統産業(大島紬)活性化プロジェクト-取り組みを通じて感じる確かな成長-


NEWS:バリュエンスグループにて、越境チャレンジ-協働型人材育成プログラム-での取り組みをご紹介いただきました

バリュエンスグループにて、越境チャレンジ-協働型人材育成プログラム-での取り組みをご紹介いただきました

バリュエンスグループ(バリュエンスホールディングス本社:東京都港区、グループCEO:嵜本 晋輔)より、経営人材の育成を目的に、役員自らが参画する実践型の地域企業課題解決研修(越境チャレンジ-協働型人材育成プログラム-)を導入、実施したことをプレスリリースにてご紹介いただきました。

バリュエンス、地域企業課題解決型の役員研修を実施|バリュエンス

バリュエンスグループにて、株式会社協働日本と株式会社スパイスアップ・ジャパンが提供する「越境チャレンジ-協働型人材育成プログラム-」を導入いただき、鹿児島県奄美市で大島紬の生産・販売事業を営まれている「有限会社はじめ商事」社ご協力のもと実践型研修を実施いたしました。

詳細につきましては、バリュエンスグループのプレスリリースを御覧ください。

地域企業経営者との壁打ちミーティングの様子

現地で染体験中のバリュエンスジャパン執行役員 井元信樹氏


ご紹介した事業について

越境チャレンジ

越境チャレンジ-協働型人材育成プログラム-

週に数時間で、リーダーが育つ『越境経験』 本業に取り組みながらオンラインで参加できます。

越境チャレンジ-協働型人材育成プログラム-』の特徴

  • 難易度の高い地域企業の経営課題に直面することで、正解がない中で道筋を描く力が身につく。
  • 地域企業の経営者の視野、視座、想いに触れて、本気で向き合うことで当事者意識が磨かれる。
  • 第一線のプロフェッショナルの視点を学ぶことで、実践的なスキル・経験が得られる。
  • 定期的な振り返りの機会から、個人の変化や成長、本業へ還元できる学びを実感・言語化できる。

関連したイベントのお知らせ

2023年1月30日(月)19:00~20:30 @ZOOM セミナー構成
1. イントロダクション
2. これからの時代に求められる変革人材の要素
3. 『越境チャレンジ-協働型人材育成プログラム-』の取組み紹介
4.現役執行役員の『越境経験』の紹介
5. 対談
6. Q&A、アンケートなどのご案内

プレスリリースでもご紹介いただいた、バリュエンスジャパン執行役員 井元信樹さんをお招きし、奄美大島紬の地域企業経営者と取り組んでいるプロジェクトについてお話しいただきます。この『越境経験』によってどんな成長や成果を生み出したか?本業にもどんな影響を与えているか?そのリアルをぜひ皆様にご紹介頂きます。

お申し込みは こちら


株式会社協働日本 越境チャレンジ-協働型人材育成プログラム- の詳細については こちら

NEWS:【1/30(月)19:00~】オンラインセミナー開催のお知らせ「現役執行役員が語る越境経験のリアル!-越境チャレンジ- 経営幹部の育成に最適な越境学習とは?」

オンラインセミナー開催のお知らせ「現役執行役員が語る越境経験のリアル!-越境チャレンジ- 経営幹部の育成に最適な越境学習とは?」

この度、「現役執行役員が語る越境経験のリアル!-越境チャレンジ- 経営幹部の育成に最適な越境学習とは?」と題したオンラインセミナーを開催いたします。

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【無料/オンライン】現役執行役員が語る越境経験のリアル!-越境チャレンジ- 経営幹部の育成に最適な越境学習とは?

変革人材育成のパイオニアである(株)スパイスアップ・ジャパンと、日本中の地域中小企業の伴走支援を行う(株)協働日本が連携し、これからの時代に求められる変革リーダーの要素を踏まえ、新しい越境経験のアプローチ協働型プログラム「越境チャレンジ」をご紹介します。
実際の本プログラム参加者である、井元信樹氏をゲストスピーカーにお招きし、具体的な取り組み事例をお話いただきます。

皆様のご参加を心よりお待ちしております。


セミナー概要

2023.1.30(月) 19:00~20:30 Zoomウェビナー形式
1. イントロダクション
2. これからの時代に求められる変革人材の要素
3. 『越境チャレンジ-協働型人材育成プログラム-』の取組み紹介
4.現役執行役員の『越境経験』の紹介
5. 対談
6. Q&A、アンケートなどのご案内
登壇者:
(株)スパイスアップ・ジャパン 代表取締役 豊田 圭一
(株)協働日本 代表取締役社長 村松知幸
バリュエンスホールディングス(株)事業戦略本部 執行役員・事業戦略本部長 井元 信樹


本ウェビナーはこんな方にオススメ!

  • 越境学習に関心はあるが、既存のアプローチに課題感を感じている経営者、人事部長、事業部長
  • 社員に対して日常ルーティン業務とは異なる実践経験の場を提供したい人事担当者


こういった企業の想いを実現する、 『越境チャレンジ-協働型人材育成プログラム-』について具体的な取り組み事例を通じて深く理解することができます!

セミナー概要

益々変化が加速する複雑でVUCAな環境下で、特に企業の未来を担うリーダー人材には、いわゆる『越境経験』として、アウェイな環境下で事業経営や課題解決を当事者として経験し、実践することの重要性が高まっています。
一方で、既存の越境学習のプログラムには、長期にわたり、対象社員を現場から出向させる必要がある等、人事部にとって運用や導入しづらいなどの課題が聞かれます。

そこで、リーダー人材の変革、成長を加速するために、私たちがご提供するアプローチは、
地域企業経営者との協働経験 『越境チャレンジ-協働型人材育成プログラム-』です。
参加者が本業に取り組みながら、週に数時間のオンライン参加の『越境経験』にチャレンジできます!

また、バリュエンスホールディングス(株)現役執行役員が奄美大島紬の地域企業経営者との第一号協働プロジェクトが熱々進行しています!
この『越境経験』によってどんな成長や成果を生み出したか?本業にもどんな影響を与えているか?
そのリアルをぜひ皆様にお届けしたいと思います。ご参加をお待ちしております!

『越境チャレンジ-協働型人材育成プログラム-』の特徴

  • 難易度の高い地域企業の経営課題に直面することで、正解がない中で道筋を描く力が身につく。
  • 地域企業の経営者の視野、視座、想いに触れて、本気で向き合うことで当事者意識が磨かれる。
  • 第一線のプロフェッショナルの視点を学ぶことで、実践的なスキル・経験が得られる。
  • 定期的な振り返りの機会から、個人の変化や成長、本業へ還元できる学びを実感・言語化できる。

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越境チャレンジについてこちらから

お問い合わせ・連絡先
ippo@kyodonippon.work

NEWS:【10/26(水)19:00~】オンラインセミナー開催のお知らせ「実践の場で社員が急成長!次世代変革リーダーの成長を加速する~協働型プログラム 越境チャレンジとは~」

オンラインセミナー開催のお知らせ「実践の場で社員が急成長!次世代変革リーダーの成長を加速する~協働型プログラム 越境チャレンジとは~」

この度「実践の場で社員が急成長!次世代変革リーダーの成長を加速する~協働型プログラム 越境チャレンジとは~」のオンラインセミナーを開催いたします。

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変革人材育成のパイオニアである(株)スパイスアップ・ジャパンと、日本中の地域中小企業の伴走支援を行う(株)協働日本が連携し、これからの時代に求められる変革リーダーの要素を踏まえ、新しい越境経験のアプローチ協働型プログラム「越境チャレンジ」をご紹介します。皆様のご参加を心よりお待ちしております。


セミナー概要

2022.10.26(水) 19:00~20:00 Zoomウェビナー形式
テーマ:『実践の場で社員が急成長!次世代変革リーダーの成長を加速する~協働型プログラム 越境チャレンジとは~』
登壇者:
(株)スパイスアップ・ジャパン 代表取締役 豊田 圭一
(株)協働日本 代表取締役社長 村松知幸


益々変化が加速する複雑でVUCAな環境下で、特に企業の未来を担うリーダー人材には、いわゆる『越境経験』として、アウェイな環境下で事業経営や課題解決を当事者として経験し、実践することの重要性が高まっています。
一方で、既存の越境学習のプログラムには、長期にわたり、対象社員を現場から出向させる必要がある等、人事部にとって運用や導入しづらいなどの課題が聞かれます。

今回、リーダー人材の変革、成長を加速する新しいアプローチの実践機会をご紹介します。
変革人材育成のパイオニアである(株)スパイスアップ・ジャパンと、日本中の地域中小企業の伴走支援を行う(株)協働日本が連携し、これからの時代に求められる変革リーダーの要素を踏まえ、新しい越境経験のアプローチ協働型プログラム「越境チャレンジ」をご紹介します。
ぜひご参加をお待ちしております!

協働型プログラム「越境チャレンジ」の特徴

  • 難易度の高い地域企業の経営課題に直面することで、正解がない中で道筋を描く力が身につく。
  • 地域企業の経営者の視野、視座、想いに触れて、本気で向き合うことで当事者意識が磨かれる。
  • 第一線のプロフェッショナルの視点を学ぶことで、実践的なスキル・経験が得られる。
  • 定期的な振り返りの機会から、個人の変化や成長、本業へ還元できる学びを実感・言語化できる。

こんな方にオススメ

  • 越境学習に関心はあるが、既存のアプローチに課題感を感じている経営者、人事部長、事業部長
  • 社員に対して日常ルーティン業務とは異なる実践経験の場を提供したい人事担当者

こういった企業の想いを実現する、協働型プログラム「越境チャレンジ」について深く理解することができます!

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